見るのも見られるのも嗅ぐのも嗅がれるのも全部イヤ『サーヤ×くるま みんなテレビ』/テレビお久しぶり#131

2024/12/20 19:00 配信

バラエティー コラム 連載

「テレビお久しぶり」(C)犬のかがやき

長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『みんなテレビ』(テレビ朝日)をチョイス。

見るのも見られるのも嗅ぐのも嗅がれるのも全部イヤ『サーヤ×くるま みんなテレビ』


テレビ朝日にて、11月23日から6週連続放送中である、深夜の子ども番組、『みんなテレビ』。ラランドサーヤ令和ロマン・高比良くるまがスカンクのパペットに扮し、非教育的な企画を見届けていく。今回は第2弾とのことで、今年6月に第1弾が放送されていたようなのだが、私は知らなかった。とはいえ、私と同じようにこの番組を知らない人でも、この記事で取り上げる「うんちを見せてもらおう」というコーナー名で、どのような番組かはうかがい知れるところだろう。

私が鑑賞したのは、第2弾の2話目。●うんちを見せてもらおう、●心の声ON将棋、●リアルふるさとの3エピソードなのだが、やはり目玉は●うんちを見せてもらおうである。誰にですか?と思っていたら、DJ KOOが出てきて驚いた。そりゃDJ KOOだってウンコ(私はこう表記する。ウンコをうんちと呼ぶのはプライドに反する。とはいえ、当番組においては、子ども番組というフォーマットを拝借しているわけだから、うんちと表記する正当な理由があるわけで、文句は言うまい)くらいするはずだ。63歳というのにも驚いた。ちなみに、ウンコだうんちだの話は、当連載#82『大便表記論』にて

DJ KOOのウンコは、医師であるソシアス美緒氏に、きっちり医学的な視点から観察される。一緒に便器を覗き込むふたりの姿が印象的で、最近ウンコが臭くて心配そうにしているDJ KOOは、幼い子供を病院に連れて来た親のようだ。結局、異常らしい異常は見られず、比較的健康なソレとして、ウンコは流されていった。DJ KOOは満足そうな様子で、なるほど、扇動的な企画でありながら、結果的には有意義に終わる、良いコーナーである。自分の出したてのウンコを医者が見て、なかなかいいですね、と言われたら、確かに満足をするだろう。

さて、私は人のウンコを絶対に見たくない。自分のものを見られるのも御免だが、それよりも、人のものを見たくない。もちろん嗅ぐのも絶対に御免だ。物質としてのウンコのすべてが嫌いだ。「ウンコなんて誰でもするんだから」と言われても、誰でもするからより嫌い、というのもある(そもそも、誰でもするかどうかも定かではない。人間全員のウンコを見たわけではあるまい)。私は、生物が、生物としての行動を取っている姿に、言い知れない恐怖を覚えるのだ。昔、リクガメの交尾の動画を見て、トラウマになった。今も頭にこびりついて離れない。人のウンコが嫌いなのも、リクガメの交尾がやばかったのも、同じ理由なのだ。

番組を見ながら、医者というのは大変な仕事だと思った。人のウンコを見なくてはならないのだ。同時に、芸能人というのも大変な仕事だと思った。人にウンコを見られなくてはならないのである。見るのも、見られるのも、嗅ぐのも、嗅がれるのも、全部イヤ。まあ、するのはそんなにイヤじゃないかな?今週は待ちに待ったクリスマス。HAPPYメリクリ!

■文/城戸