「発現」「救出」「連鎖」「爆破」「追憶」「苦悩」「敗北」「決断」「越境」「衝動」「贖罪」
あ、別にお経を唱えているわけではなく…。勘のいい人ならすぐにピンとくると思うが、これらは「BORDER」の連続ドラマ、スピンオフ、そして続編スペシャルのサブタイトルだ。
後付けになってしまうが、たった二文字でここまでうまく物語を表すことができるなんてすごいな!と、3年前の連ドラ当時にも見終わった後、毎回思っていたが、今回久しぶりに「BORDER」ワールドに触れてみて、再び同じ感情が湧いた。
各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。今回は10月6日(金)、13日(金)に前・後篇で放送の「BORDER 衝動~検視官・比嘉ミカ~」(テレビ朝日系)を取り上げる。
本スピンオフの主人公は、波瑠が演じる法医学教室助手・比嘉ミカ。比嘉といえば、連続ドラマ「BORDER」では“男らしい”言動と、クールな佇まい、類まれなる検死能力を持つ警視庁の特別検視官として、人気を博したキャラクターだ。
連続ドラマでは、石川(小栗旬)の単独捜査にも度々協力してきた比嘉だが、スピンオフではその原点となる“特別検視官に就任する半年前の物語”が展開される。
永正大学医学部法医学教室の教授・浅川透(石丸幹二)の下で働く助手・比嘉は、どんなに検案・解剖の経験を積んでも独り立ちさせてもらえない現状に、鬱屈とした感情を抱えていた。
そんなある日、死体の検証だけでなく、現場に出て犯人の声も探りたいと考えた比嘉は、無断で4人家族が犠牲となった強盗殺人事件の現場へ侵入する。そのことを知った浅川は、自分のやり方に従わない比嘉に激怒。冷静さを取り繕いながらも、絶対服従を暗に要求する浅川を目の当たりにし、比嘉は複雑な思いを膨らませていく。
やがて、都内にある西原署の管轄内で恐ろしい事件が起こる。女子中学生・火野歩(中崎花音)が絞殺体となって見つかった。それも、目を覆うほど無残な状態の遺体で。
突然、同級生を襲った非業の死に、知らせを受けた小椋明音(清原果耶)ら同級生たちはそれぞれ、悲しみや恐怖の表情をにじませる。
一方、比嘉は浅川に連れられ、遺体発見現場へ。しかし、浅川は通り一遍のプロファイリングを展開するばかり。そんな浅川に対し、西原署の刑事・中澤史明(工藤阿須加)はどうにも拭えない反感を覚える。そんな中、第二の殺人事件が発生してしまう…という物語だ。
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