池井戸潤氏の同名小説をドラマ化した「陸王」(10月15日スタート、TBS系)に物語のキーマンとなる実業団ランナー・茂木裕人役で出演する竹内涼真。そのマラソンシーンのロケ現場を訪ね、竹内のドラマにかける思いを聞いた。
ドラマ「陸王」は、100年以上続く老舗足袋業者「こはぜ屋」の四代目社長・宮沢(役所広司)が経営不振に陥った会社を立て直すため、新規事業としてランニングシューズ“陸王”の製作に挑む企業再生ストーリー。山崎賢人が、宮沢とともに陸王開発に挑む息子・大地を演じることでも注目を集める。茂木はランナーとして、陸王誕生の重要なカギを握る。
ロケでは、茂木が国際マラソン大会に出場したシーンを撮影。3日間でのべ1万人以上のエキストラを動員した。スタッフも「(撮影開始の)朝6時に2,000人、3,000人規模でエキストラが集まってくれて。役所さんは『すごいね』と言っていたし、(山崎)賢人くんも驚いていましたね。みんなうれしかったと思いますよ。ただ、竹内くんは走ることに集中しないといけない(から、大変そうだった)。誘導も大変でした」と振り返る。
竹内が演じる茂木は、箱根駅伝にも出場経験があるという実力派ランナー。自身も学生時代はサッカーに打ち込んだという竹内だが、「マラソン選手の走り方の基礎を身に付けるため、3か月ほど前からランニングとフォームを練習してきました。現場にいるコーチや、同じキャストの方で昔から陸上をやっている方に、自分の走りがマラソン選手の走り方に見えているか聞いています。僕もスポーツをやっていましたけど、マラソンは全く別物。マラソン選手の走り方、その基礎を一番練習しました」とストイックに役作りに励んできた。加えて、体形をマラソンランナーのそれに近づけるべく、食事制限もしたという。
「スポーツをやっているかどうかは、パッとみただけで分かりますから。もちろん、完璧にランナーの体形になるのは難しいんですが、雰囲気だけでも近づけて、スポーツをやっている人、これからやろうかなと考えている人に、スポーツの面白さを感じてもらえるようにしたいです」と目標は高い。故障で挫折も味わっている茂木については、「スポーツの世界ではよくあること。どんなに結果を残していようが、周りから期待されていようが、ケガをすることもありますから。いい時があれば、悪いときもある。その気持ちはよくわかります」という。
茂木の役作りに関しては「キャラっぽくはしたくない」と話す。「走った後のセリフだったらある程度息を上げたり、そういうことをリアルにやっていきたい。あまり作り込まずに、場面場面の気持ちでやりたいなと思いますね」と、一つひとつのシーンに魂を込める。ロケ現場でも、数千人規模のギャラリーに動じることもなくカメラの前では淡々と“茂木”であり続けた竹内。一方で、通りかかった登校中の学生に「明日、部活の試合なんです!」と声を掛けられると素に戻り「頑張れよー!」とエールを送る姿も。
連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK総合ほか)ではヒロイン・みね子(有村架純)の初恋の相手で真面目な“昭和の大学生”を、ドラマ「過保護のカホコ」(日本テレビ系)では“理想の恋人”を演じた。今回は一転、本気の走りで骨太な魅力を発揮する。くるくると表情を変える竹内涼真のこれからがますます楽しみだ。
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