【SASUKEその4】総合演出に直撃インタビュー！―後半―

10月8日(日)夜6時30分から「SASUKE2017秋」が放送される。総合演出の乾雅人氏にインタビューを敢行し20周年を迎えた「SASUKE」の裏側に迫っていく後半。

今回もプロサーファー・自衛官・漁師・板前・美容師など多種多様な100人が集結。芸能界からも、セカンドステージ制覇を目指す樽美酒研二、塚田僚一、岩本照、森渉、石田たくみらが参戦し、完全制覇を目指しアトラクションに挑んでいく。

そして海外からも挑戦者が来日。おなじみとなったドリュー・ドレッシェルに加え、「SASUKE」のアメリカ版「アメリカン・ニンジャ・ウォリアー」の本戦ファーストステージを女性で初めてクリアしたスタントウーマンのジェシー・グラフが本家に挑む。ジェシーはなんと女性用コースではなく男性と同じ規格のコースで完全制覇を目指す。

「SASUKE」の総合演出を務めている乾氏に、出場選手のことや今回の見どころについて聞いた。

――選手も含め、SASUKEファンが多いですがどう思われていますか？

僕は彼らをクリアさせるものを作っているわけじゃなくて、「全員脱落しちゃえ！」と思って、ギリギリ完全制覇できないっていうものを考えて作って“場所”を提供してるんです。

それに対してすごい情熱を持ってやっている人たちに対しては、僕は正直、どうしてそんなにこれに夢中になるんだろうと思ってます(笑)。

長らく番組に関わっていますが、1回も「なるほどそうだよね」と思ったことはないです。これは自分でも不思議ですけど、うれしいとかは思ったことないんですよね。

この間完全制覇をした“SASUKEクン”という森本(裕介)君は、仕事をしている時間以外、食事もそうだし、社宅のベランダにセットを作って練習していて、さらに、パソコンで先代たちが各エリアをやった映像を編集して、「1歩目は〇〇さん、2歩目は〇〇さんのやり方を取り入れる」という研究をしているんですよね。僕はそれを聞いて、「そこまでやらなきゃいけないことなのか」と思っちゃうんですよね(笑)。

僕はエリアを作ってるだけなのでコツは全く分からないんです。コツは彼らがやって考えて、見つけているんです。考えるためのアプローチ、本番に合わせたコンディション作りみたいなことに関しては選手次第なんです。

アトラクションがすごく難しいので、いい成績を取るには半年なり1年なりちゃんとしたスケジュールを立ててコンディションを作らないといけないんだなということで、大変だなと思うんですけど。あえて、「(SASUKEを)愛してくれてありがとう」と思って彼らに接しないようにしてます。距離が近過ぎるとダメだし、遠過ぎても駄目だし。

実は、その選手がどんな半年を過ごしてるか、しょっちゅうコミュニケーションを取ってるんです。「〇〇と●●が一緒に練習するらしいよ」「仲悪かったはずじゃない!?」みたいな情報などをキャッチした上で、今じゃなきゃ撮れないものを撮りにいったりしてます。

――今大会の見どころを教えてください。

まず、僕の4年越しのラブコールでアメリカからジェシー・グラフが来たことですね。アメリカでも無名だった頃に僕とSNSでつながりまして。能力が高いことは有名になる前から知っていて、出場してほしいとコンタクトしていたんですがなかなか実現しないうちにアメリカ版SASUKE「ニンジャウォーリアー」で2年前くらいにスターになって、決勝大会でもいい成績を残すようになって。

さらにエミー賞の授賞式でも赤いドレスを着てバック転したことがニュースになるようなセレブになっていたんですよね。そして今回のタイミングでスケジュールが合って、やっと来てもらうことができました。彼女がどんな成績を残してくれるのかに期待です。

あと、完全制覇を2回果たしている漆原(裕治)選手の成績がここ最近良くなくて、39歳なので限界なんじゃないかという説もありつつ、今大会ファーストステージクリアできなかったら引退と覚悟で臨んでおります。

そして、塚田(僚一)さん、樽美酒(研二)さんですね。いよいよ塚田さんはジャニーズの稽古場にセットを作り、樽美酒さんは倉庫を借りたということで、ついにここまで来たかと思いましたね。

塚田さんは、岩本君と一緒に日置(将士)君のところに練習に行ってたんですけど、塚田さんだけ練習でうまくできなくて、日置さんのところに時間が空いてる時だけ行ってもダメなんじゃないかということで、作っちゃおうかということになったそうです。

「ジャニ―さんにOKもらったのでジャニーズの稽古場に作ります！」って。ジャニ―さんのお部屋の向かいにも部屋があるんですけど、ジャニ―さんはそこに作ったらどうかって話もあったらしいです(笑)。そしたらちょいちょい練習を見に行けると。

樽美酒さんもツアースタッフさんに頼んで倉庫にセットを作ってもらったらしいです。あと、K-1のチャンピオン・武尊さんも格闘家で初めてサードステージ進めるのかと。みんなすごいコンディション合わせてきてあり得ないくらい練習してきてるので、彼らがどこまでいくのかに注目ですね。