【試写室】「BORDER 贖罪」ドラマの常識を軽々と“越境”した物語

2017/10/29 06:00 配信

ドラマ

【写真を見る】石川(小栗旬)と久高(國村隼)の対峙するシーンは緊迫感マックス!(C)テレビ朝日


「マジか…。えっ? 終わり!? ねえ、終わりなの!?」

これは2014年6月5日夜10時ごろ、都内某アパート内での筆者の言葉だ。

その日何が起きたのか。別に7年くらい連れ添った恋人と別れるときにすがっていたわけではなく、ハマっていたRPGを“全クリ”してしまったから出た言葉でもなく、ある連続ドラマの最終回、ラストシーンを見た直後の素直な感想である。

勘のいい人ならすぐにこの数字の並びで気付くと思うが、それはついに3年の沈黙を破って復活が決まった小栗旬主演ドラマ「BORDER」(テレビ朝日系)の話だ。あのときは、あまりにも衝撃を受けて大声を出してしまい、アパートの隣に住んでいた方の怒りの“境界線”をゆうに越えてしまい、壁をドンドンされるという憂き目にあったのはここだけの話。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。今回は10月29日(日)夜9時から放送のドラマスペシャル「BORDER 贖罪」を取り上げる。

頭部を被弾して生死の境をさまよった後、「死者と対話できる」という特殊能力を得た刑事・石川(小栗)が、望まずして命を絶たれた被害者の無念を晴らすべく、生と死、正義と法、情と非情の“BORDER=境界線”で揺れ動きながら、事件に立ち向かう姿を描いた金城一紀原案・脚本の本ドラマ。今回のスペシャルは、連続ドラマ終了から直結のストーリーを描く。

殺人事件の被害者たちの声に耳を傾けるうち、正義心をどんどん燃え上がらせていった彼は、裏の世界の力を借りて証拠を捏造(ねつぞう)するなど、危うさも増長させていた。

そんな中、石川は“絶対的な悪”を体現する史上最悪の敵・安藤周夫(大森南朋)と、マンションの屋上で対峙(たいじ)することに。だが、安藤は石川の正義が中途半端であるとして、徹底的に挑発。あおられた石川は自らの正義をなすため、そして死者の無念を晴らすため、正義と悪の境界線で究極の決断をしてしまう。

石川をよく知る者たちの間に衝撃が走る中、警視庁では、独特の存在感を放つ監察管理官・久高喬(國村隼)が石川の取り調べを始める。穏やかな物腰ながらも、鋭い観察眼を持つ久高は、石川から拭い去ることのできない違和感を覚えるのだった。

取り調べのさなか、石川は街中で、美しくはかなげな女性・須藤真実(中村ゆりか)と遭遇する。「わたしを殺した犯人を捕まえてください!」という死者の思いを受け、再び石川が取った予想外の行動とは? 石川の運命が再び動き出し、物語は伝説のラストへ…というストーリー。

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