直木賞作家・荻原浩原作の人気シリーズを連ドラ化したヒューマンドラマ「金曜8時のドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』」(テレビ東京系ほか)で、連続テレビ小説「ひよっこ」('17年NHK総合ほか)に引き続き“ダメ父ちゃん”を演じている沢村一樹。脚本の岡田惠和とは、この1年半で立て続けに4作を共にする名パートナー、いわば“常連”になりつつある。ほっこり温かな気持ちに包まれる岡田ワールドに“元セクスィー部長”がハマっている、その心境を本人に直撃すると、意外な奇縁が明らかに!
――「ユニバーサル広告社-」はとても温かい作品ですね。以前、「同世代の男性視聴者に見ていただけるのがいちばんうれしい」とおっしゃっていましたが、今回もその望みがかないそうでしょうか?
はい。金曜日の夜にふわっとのんびり見られるドラマですね。ドキドキしたいとかハラハラしたい、ではなくて。ボーっとおつまみ食べて晩酌しながら、ゆったりと見てもらいたいような番組です。ご存知のように岡田惠和さん脚本で、レギュラー陣8人のうち何と、4人が「ひよっこ」出身者という(沢村のほか、和久井映見、三宅裕司、やついいちろう)。できの悪い広告マン4人で広告社をやってまして、何でできが悪いかというと決して能力が低いわけではなく、ついつい情に流されてお金にならない仕事をしたり、人助けと思ってやったことで後々借金を作ってしまったり。そういう、ハートの熱さだけで仕事をするのがダメなのかな、という話を現場でもよくしています。
――イケイケの広告マンだった杉山(沢村)は、自信過剰から大手代理店を離れるも転職できず、それまで全く省みてこなかった妻子にも家を出て行かれ、飲み屋で話し掛けてきた小さな広告者を営む石井(三宅)の下で働くことに。この杉山に共感するところは?
…特に共感する部分はない、ですね(笑)。広告や仕事というものに対する思い、それに、一度失敗を経験して仲間たちへの思いが芽生えて…というのはすっごく分かるんですけれど、僕とは全然違うタイプの人間だな、と思いながら演じています。僕、こんなちゃんとしてないです(笑)。
――脚本の岡田惠和さんとは、昨年夏に放送された連続ドラマW「希望ヶ丘の人びと」(WOWOW)、この番組のパイロット版とも言えるSPドラマ「ダメ父ちゃん、ヒーローになる! 崖っぷち!人情広告マン奮闘記」('16年テレビ東京系)、そして「ひよっこ」と、ずっとご一緒されていますね。
今年に入って長きに渡って岡田さんの脚本にふれてきたので、何となく肌で感じられる部分があって、言葉ではうまく説明できないんですけれど。台本の中で、ストーリーとは全く違う会話をしている部分があるんです。本筋とは関係ないことを言っているんだけれども、そこがいい隠し味になっているんです。そういう、どうでもいい会話もしっかり表現しなきゃな、という。それは役者として、演じていて楽しい部分ですね。演じている僕らがその面白さを感じているのと同じくらい、見ている方にもそれが伝わるといいな、と思っています。
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