2000回の半分以上は父の仕事なので、僕としては大きな実感を伴って迎えたということではありませんでしたが、これだけ続くというのは並大抵のことではないですから。そういった番組に携わることができ、ありがたいことだと思っています。
収録中に父を意識することは特にありませんが、テレビから不意に自分の声が聞こえてくると、「声は父に似ているんだな」と思います。芝居にしてもナレーションにしても、人に何かを伝えるという作業は変わりません。
原稿をいただいた後は、実際に声に出したときの言いやすさ、耳にした時の聴きやすさを考えて句点の位置を変えたり、また収録中の段階ではその都度、映像の中の空気感が伝わるように心掛けています。
実を言うと、僕自身は全く海外旅行の経験がないので、自分が担当した街道はどこも印象に残っていますが、特に「ハワイ/知られざる楽園の道・アメリカ」(2016年6月放送)は記憶に残っています。
日本人にとってなじみのあるハワイですが、この番組では一般的なハワイのイメージとは違う道をたどっていたので、「こんな場所もあるんだな」とナレーションをつけながら興味深く見ました。
また、時々、「絶景ポイントに行ってみたけど今日は雨だった…」ということがあるんですけど、そうした映像が見られるのもこの番組ならでは(笑)。他の紀行番組にはない魅力の一つだと思います。
今後の目標は、父も思っていたかもしれませんが、「世界の車窓から」という前を走り続ける大先輩番組がありますので、並ぶほどの番組になれたら、という思いはあります。街道がある限りはやり続けたいですが、具体的にあと1000回やれば父より回数は多くなるので、まずは放送3000回を目指します!
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