いよいよ清野菜名が登場!「トットちゃん!」服部Pが見どころを語る

2017/11/01 18:00 配信

ドラマ


──ドラマ序盤では、山本耕史さんが演じられている徹子の父親・守綱の昭和の父親像が話題です。彼の言動や行動は、現代だと問題になりかねないと思いますが。

実際、厳しい指摘をされたこともありましたが、実話ですからね(笑)。徹子さんの人生をひも解いていったらこういう事実がありました。お父さん役には徹子さんもすごくこだわりがあって、山本さんがいいと徹子さんがおっしゃったんです。あの役は、違う役者さんがやっていたら現代の匂いが出てしまったと思うんですが、山本さんが演じることで中和されていると思うんです。芸術家のエゴとか、昭和時代の特異性とか、違う人がやっていたらまた違う伝わり方をしていたんじゃないかと。そういう意味でも山本さんにすごく感謝しています。

山本耕史が徹子の父・守綱を演じる


守綱も徹子が生まれて少し雰囲気が変わりましたが、あれも山本さんの天性の勘だというか。芸術家の狂気性を残しつつ、一人の父親になっている感じも出している彼はただ者じゃない。同時期に「植木等とのぼせもん」(NHK総合)で植木等役をやられていましたが、昭和の空気が似合う方ですね。彼自身もこの1年で現実にお父さんになられて、ちょうどそんな時期にこの役と出会ったのは何か見えない力に引き寄せられているんじゃないかと思いました。

リアルさよりファンタジー性を感じるミニチュアに


朝(松下奈緒)と守綱(山本耕史)らが住んでいた「乃木坂上倶楽部」のミニチュア


徹子が通った「トモエ学園」のミニチュア


──本作では、劇中に登場する建物に、ミニチュアなどを使ったりされていますね。

ドラマをやると決めた時に絶対に模型にしようと思っていて、脚本の時点から“模型で”と書かれているんです。このドラマは少し特殊で、月曜から金曜まで徹子さんご本人の番組「徹子の部屋」があって、その直後にその人を描くドラマをやっている。こういう形って日本のドラマ史上初めてなんです。ドラマの世界に入る扉というか、絵本の世界に迷い込むような装置を作りたくて、それが模型だったんです。似たような建物を見つけてリアルな映像として伝えることもできるんですが、リアルさよりもファンタジー性を感じるものの方がこの作品には合っているし、リアルさはなるべく排除しようと思っていました。

第1話は「徹子の部屋」のセットの模型から始まっているんですが、あれはその扉を開けることで徹子さんの時計を逆戻ししているといった効果が出たらいいなと考えました。ミニチュアについてはこだわりがあって、リアルではなくファンタジーに見えるものを作っていただきたく、模型作家の諸星昭弘さんにお願いしました。あと、戦争シーンも最初は模型でやろうかなとも思ったんですが、あのサイズ感を再現するのは難しかった。イラストにしようかと思った時に切り絵と出会って、またちょっと違う伝え方ができると思い、切り絵を採用しました。

──これからドラマはさらにいろいろな展開を見せていくと思いますが、今後の見どころと、視聴者の皆様にメッセージをお願いします。

まず第一に、黒柳徹子さんの人生をひも解くという楽しみ、誰も知らない黒柳徹子が見られるという楽しみがあります。あと僕と大石さんの中では、この物語は壮大な昭和史の話でもあって、黒柳家という家族をベースにして昭和の光と影を描いていこうとしているので、そういった面も感じていただければ。昭和という時代を懸命に生きた人たち、テレビの世界に命を懸けたり挫折をしたりした人たちの思いも感じていただければうれしいですね。