池井戸潤氏の同名小説をドラマ化した「陸王」(TBS系)。100年以上続く老舗足袋業者・こはぜ屋の四代目・宮沢紘一(役所広司)のランニングシューズ開発を軸にストーリーが展開するが、同時に熱い注目を浴びるのが、竹内涼真演じる実業団ランナー・茂木裕人を取り巻く人々の人間ドラマだ。ザテレビジョンは、10月29日放送の第2話放送シーンの撮影風景を取材した。
茂木は、外資系大手スポーツ用品メーカー・アトランティス社とスポンサー契約を交わすスターランナー。第1話(10月15日放送)では、国際マラソン選手権に出場中、沿道で応援する宮沢とその息子・大地(山崎賢人)の目の前で足を痛めリタイア。その後、茂木とチームの監督・城戸(音尾琢真)、ベテランシューフィッター・村野(市川右團次)らはアトランティス社のサポートで走法を矯正し再起をめざす。しかしアトランティス社の日本支社営業部長・小原(ピエール瀧)は、茂木のサポートにかかるコストと“利用価値”を冷静に見極めていて――という展開だった。
9月中旬、早朝のロケ現場に竹内とピエール瀧の姿があった。茂木とアトランティス社による記者会見シーンの撮影のためだ。当日は、取材陣役やスタッフ役などで数十人規模のエキストラが参加。アトランティスの名入り取材ボードの前に竹内が登場すると、エキストラから大きな拍手と歓声! 竹内は、かなり高いところに構えられている撮影用カメラを見てハイテンションに。「すげー!」と連発しつつ、取材カメラマンにも笑顔を向けるなどノリノリで撮影に臨んだ。
一方、ピエール瀧は「僕には何も(歓声が)ない…」と冗談交じりにイジけつつ登場し、こちらもエキストラに温かく迎えられていた。過日行われた1話試写会では「僕と小藪くん(小原の部下・佐山役)のシーンはだいたい殺伐とするんです」と“敵役の悲哀”をにじませていたが、この日はにぎやかな撮影現場に嬉しそう。当日は取材に入っていた本物のカメラマンたちが急きょエキストラに混じって会見シーンに“出演”していたが、瀧は記者に向かって「一番前にいらっしゃる方たち、本物ですか? そうですよね? 上手ですもんね」と舌滑らかに応じ、本番前の場の雰囲気を盛り上げていた。この日撮影された記者会見シーンは2話(29日)で放送される。
ドラマ「半沢直樹」(’13年)、「ルーズヴェルト・ゲーム」(’14年)、「下町ロケット」(’15年)と、ドラマ化された池井戸作品では常に“悪役”がドラマを盛り上げてきた。「陸王」では小原がその筆頭だ。TBSの池井戸作品をドラマ化してきた伊與田プロデューサーは小原について、「後半はもっとえげつないことを仕掛けます」と意味深に発言している。
29日放送の第2話では、足に不安を抱える茂木に小原が冷酷な判断を下す。しかしそれが、こはぜ屋にとっての一筋の光となっていき…。絡み合っていく物語、茂木と小原を取り巻く人間関係にも注目だ。
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