池井戸潤氏の大ヒット小説が原作のドラマ「陸王」(TBS系)。役所広司演じる老舗足袋業者「こはぜ屋」の四代目・宮沢紘一が新規事業のマラソンシューズづくりに挑む姿を描く企業再生ストーリーだが、ドラマのもう一つの舞台が「実業団マラソン」の現場だ。宮沢は、開発中のシューズ「陸王」の実績を作るため、竹内涼真演じるスターランナー・茂木裕人に陸王をはいてもらうことを思いつく。ドラマ全体のカギとなる、茂木とその所属チーム「ダイワ食品陸上部」の面々がそろったマラソン大会シーンのロケ現場に密着した。
10月下旬、埼玉県内の競技場を貸し切って行われたのは、第3話(11月5日放送)の「熊谷マラソン」シーン。会場を埋め尽くすエキストラの大歓声の中、竹内やチームメイト・平瀬役の和田正人、チーム監督の城戸役・音尾琢真らダイワ食品陸上部チームが登場した。
エキストラの歓声に、手を振りながら笑顔で答える竹内。そんな竹内の姿を見て音尾もノリノリで手を振って和田に「違う、違う」と突っ込まれるなど、チームはすっかり団結! ちなみに、和田は大学時代に箱根駅伝を走った経験も持つ本物のランナー。「陸王」の撮影が始まってからは役作りも兼ねて10キロメートルのランニングを日課にしているという。この日も和田が現場を引っ張り、ストレッチやランニング、試合のシーンを撮影していった。
中でも、一番大きな注目を浴びていたのはやっぱり竹内。手を上げたり水を飲んだり、文字通り一挙一動にエキストラから悲鳴のような歓声が上がっていた。
茂木はこの日、不調のため試合には出場せず仲間のサポート役に回る、という設定。憂いのにじむシーンだったが、撮影合間の竹内は一転リラックスムード。実業団の陸上部経験もある和田に「マラソンの応援にはチアとかいるんですか?」と質問するなど積極的にコミュニケーションを図っていた。発売中の週刊ザテレビジョンでも、ダイワ食品陸上部について「チームの誰かが疲労がたまっていると気づくと、自然と『ストレッチしよう』と声を掛け合ったり、普通の共演者以上にお互いのコンディションに気を配り合ってて。男だらけのテンポ感が心地いいですね」と語っている。そんな言葉通り、チーム一丸となった撮影が繰り広げられた。
また、この日のロケには茂木のライバルでアジア工業のスターランナー・毛塚役の佐野岳も参加。佐野はレースシーンのみの撮影だったが、「ドライ(カメラリハーサル)からこんなに長距離を走るの?」と悲鳴を上げつつ、トラックを何度も激走! 撮影後は竹内と並んで映像をチェックするなど、仲のいい姿も見せていた。
ロケの最後には、集まったエキストラに手を振って挨拶した竹内ら出演者たち。ドラマの舞台・埼玉県行田市の工藤正司市長も駆けつけ「予想をはるかに超えるすばらしいドラマだと思います。感動しました。監督はじめ、俳優陣の皆様に心から感謝をしたいと思います」と出演者らを称える一幕も。まるで本物のマラソン大会のような撮影を締めくくった。
3話ではいよいよ、宮沢と茂木が対面。こはぜ屋とダイワ食品陸上部、二つのドラマが徐々に溶けっていく。一方、こはぜ屋では飯山(寺尾聰)も加わって新たな陸王開発への道のりが始動する。
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