山崎賢人SPインタビュー「ボロボロになっても頑張る大地はカッコいい」【陸王連載】

2017/11/19 16:08 配信

ドラマ

池井戸潤原作の小説をドラマ化、骨太のストーリーで好評を博している日曜劇場「陸王」(TBS系)。

今夜(11/19)放送の第5話では、宮沢(役所広司)の息子・大地(山崎賢人)が、「陸王」に欠かせないシルクレイのピンチに立ち向かう。これまで親父には何かと反発していた大地が、どのような成長を見せるのか、撮影エピソードを含め、山崎賢人にSPインタビューを敢行!!

第5話は演じている僕自身も泣きそうになりました


「大地は回を重ねるごとに成長を感じられる役」と山崎賢人撮影=横山正人


――ここまで撮影が進んで、大地に対する印象はクランクイン前から変わりましたか?

「大地は回を重ねる毎に、本当に成長を感じられる役だなと思っています。小説と違っていたのは、最初から熱い部分を持っている男として表現されていることでしたね。親父(役所広司)と茂木選手(竹内涼真)が出場するマラソンを見に行った時に、茂木選手の話をする熱量とか。あまり親父と会話をしていない関係性なのに凄く熱く語っていたので、就職活動がうまくいっていないもやもやはあっても、何かをやりたいんだというパワーをちゃんと持っている男なんだなと」

――だからなのか、第1話から大地が親父の背中を見る表情には優しさが浮かんでいます。

「ありがとうございます(笑)。そこは福澤(克雄)さんの演出もあります。“大地は表に出さないだけで、陸王づくりを応援しているから”と」

 ――そんな大地が第5話では陸王に欠かせないシルクレイのピンチに立ち向かいます。

「第5話の大地は眠れなくても、ボロボロになっても、みっともないと言われても、自分の意思で陸王の開発に必死になっていますからね。その姿は演じていながらもカッコいいなと思います。第3話ぐらいまではこはぜ屋の状況や自分の就職活動がうまくいかないことにイラ立ちを隠せなかったですけど、第5話の大地はもうガッツリ協力体勢なので」

――そのパワーは、間違いなく親父譲りですね?

「でしょうね。血は流れていますから、役所さんの」

――役所さんの?

「(笑)」

――その第5話で大地に大きな変化が訪れますが。

「親父や飯山さん(寺尾聰)の言葉で、ようやく自分が本当にやりたいことにようやく気づきます。やっぱりモノづくりが好きなんですよ、大地は。第5話の大地は、演じている僕自身も泣きそうになった回でした」

役所さん、寺尾さんの持っている重みは、まだ僕には出せないものです


陸王の資金繰りに頭を悩ませる宮沢(役所広司)(C)TBS


――ちなみに、役所さんや寺尾さんと撮影の合間に話す機会はありますか?

「役所さんは、膨大なセリフがあるじゃないですか。毎日大変そうで、“いやー、キツいなあ。大地、セリフをもらってくれよ”という感じの話はしたことがあります。でも、役所さんは基本的に語らず芝居でいろんなことを教えてくれる方だと思います」

――寺尾さんはどうですか?

「何でも話してくれます(笑)。クランクイン前から、僕が質問しなくても“俺が山崎君と同じ23歳の時はひとりでロンドンに行って”という話をして下さって凄く楽しいです。寺尾さんには“もうひとりのお父さんみたいな感じでやりたい”と言われたんですけど、今では大地にとっての飯山さんのような本当に尊敬できる人のような感覚に僕はなっていますね。そういう意味では、役所さんと寺尾さんは対極にいて僕を包んでくれているような気がします。そんなお二人の間で芝居ができるのは貴重な経験だと思いますね」

――役所さんと寺尾さん、山崎さんはどちらのタイプだと思いますか?

「僕はあまりしゃべらないタイプだと思う……、違いますね(笑)。でも、寺尾さんのようには語れないです。まだ語ることは出来ないといったほうが正しいですね。役所さんも寺尾さんも、今まで生きてきた人生をしっかり背負っているじゃないですか。重みがあるというか。それはまだ僕には出せないものだと思います」

竹内くんは“100%な感じ”がします


陸王を履き練習に励む茂木(竹内涼真)の元にアトランティス社の佐山(小籔千豊)が訪ねてくる(C)TBS


――同世代である竹内さんとの共演はいかがですか?

「いやー面白いし、楽しいし、凄いなと思います」

――自分にないものがあったりしますか?

「完全にありますね。竹内涼真は100%な感じがしますから」

――100%?

「爽やさがあって、優しいじゃないですか。自分でも100%男子だと言っていましたよ(笑)」

――竹内さん自身が?

「あはは。でも、すごく気持ちのいい人です。お芝居を見てもそう思いますね。ナチュラルでつくっている感じがしないというか」

――山崎さん自身もフラットな雰囲気を持っていますが。

「でも、僕があの爽やかさを出そうとしたら、作った感じが出てしまうと思うんですよね」

――そんな共演者の方達と芝居を重ねることでも、大地という役柄は成長しているんでしょうね?

「それはあると思います。毎回、大地にも僕自身にも響いてくるセリフや物語が詰まっているので。特に、親父や飯山さんと一緒のシーンでは、自分なのか大地なのかわからない感覚で感動することがありますから」

――その大地がこれから本格的に大手メーカー・アトランティスと対決していくこはぜ屋の中でどんな活躍をするのかとても楽しみです。

「こはぜ屋には、まだ何度もピンチが訪れると思いますが、大地は前のめりで陸王の完成を目指していくので、まずは大地が必死に頑張る『陸王』の第5話から楽しんでもらいたいと思います」

取材・文=あらいかわこうじ

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