【試写室】「民衆の敵」古田新太の“悪役”っぷりにゾクッ

2017/12/18 05:00 配信

ドラマ コラム

次から次へと犬崎(古田新太)の魔の手が襲い掛かる(C)フジテレビ

「昨日の敵は今日の友」「昨日の友は今日の仇(敵)」人の運命なんて移ろいやすいし、立場が変われば相対の仕方も変わる。前者は例えば中学生男子などにありがちな不良同士の縄張り争いで敗れたら、勝った相手につくようなもの。

後者は例えば、それまで同等のレベルの立場だった人同士が、いつの間にか相手だけ出世(あるいは権力を持って)しまう時によくある話。これまでそんな話はごまんと聞いてきたが、特に後者はタチが悪い。シーソーのように、それまで深い仲であればあるほど、反発したときの跳ね返りも大きいのだ。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は、誰が仲間で誰が敵なのか、人々の感情が入り乱れて油断も隙もない世界を描く、篠原涼子主演の市政エンターテインメントドラマ「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」(毎週月曜夜9:00-9:54フジテレビ系)第9話を取り上げる。

12月18日(月)放送の第9話は、市長・佐藤智子(篠原)が頼んでいた副市長就任を藤堂誠(高橋一生)は了承する。だが、まだ市議会の承認を得たわけではなく、正式に決まったわけではなかった。

特に犬崎和久(古田新太)が認めるわけはなく、犬崎はあの手この手を使い徹底抗戦の構えを見せ、市長のリコールに向けて動いていた。

智子、小出未亜(前田敦子)、園田龍太郎(斎藤司)は居酒屋で誠の副市長就任承諾の祝杯を挙げ、その席で誠たちはもう一度、智子の政治姿勢を考える。

それはもちろん、目の前の一人を幸せにするために、多数の人々を犠牲にできるかどうかだ。智子は一人ずつ幸せにしていくことで、徐々に数を増やすというのだが、果たしてそれで良いのか。未亜と園田は難しいと水を差すが、誠はとりあえず進めてみようという。

翌朝、智子は未亜から市のキャラクター、あおバッタ君がおかしなチラシを配っていると連絡を受ける。あおバッタ君が配っていたのはアミューズメントパーク「あおばランド」建設計画のチラシだった。

一方、平田和美(石田ゆり子)は誠が副市長就任を了承したことに疑問を抱いていた。エリート政治一家の息子が議員を辞めてまで副市長になる意味があるのだろうか? また、誠の兄、明(山中崇史)が最近、頻繁に地元であるあおば市に戻ってきていることも気になっていた。

そんな時、前田康(大澄賢也)が記者会見を開く。それはニューポート建設に伴う地区開発で「あおばランド」を作るというもの。それは、智子はもちろん、誠にとっても寝耳に水の話で…というストーリーだ。