坂口健太郎「意外と女性のわがままを許せるタイプだと思う(笑)」

2018/02/09 06:00 配信

映画

古いモノクロ映画から現実世界に飛び出してきたお姫様と、映画監督を夢見る青年のファンタジックな恋を描いた「今夜、ロマンス劇場で」。この映画で綾瀬はるか演じるお姫様の相手役を演じるのが、ドラマ「コウノドリ」シリーズ(2015、2017年TBS系)や、映画「64-ロクヨン-」(2016年)、「ナラタージュ」(2017年)など躍進を続ける坂口健太郎だ。そんな役者として飛ぶ鳥を落とす人気の彼に、本作の見どころを聞いた。

坂口健太郎は「二人の切なくも愛おしいラブストーリーを楽しんでください!」とアピール撮影=横山マサト


脚本を読んだときには思わず泣いてしまいました


――この作品は、「のだめカンタービレ」や「テルマエ・ロマエ」シリーズを撮られた武内英樹監督と、「信長協奏曲」の脚本を手掛けられた宇山佳佑さんによるオリジナルストーリーです。脚本を読んで印象に残ったところは?

最初にこのお話をいただいたときに、映画の中から飛び出してきたお姫様と恋をするお話と聞いて、かなりファンタジー要素が強いのかなと思ったのですが、意外と美雪(綾瀬)と健司(坂口)のラブの話がメインになっていて。しかも、美雪が現実世界で生き続けるためには「人のぬくもりに触れてはいけない」という設定が切なく、これまで脚本を読んでホロリとする経験はあまりなかったのに、好きだから触れたいのに触れられない、という2人の葛藤を描いているこの脚本を読んだときには思わず泣いてしまいました。

――坂口さんが演じる健司は映画監督を夢見る青年で、通い続けている映画館で見つけた古いモノクロ映画「お転婆姫と三獣士」にハマり、そのヒロインである美雪に恋をします。その美雪が実際に目の前に現れる奇跡が起こるわけですが、健司の美雪に対する思いをどう捉えましたか?

多分、美雪と出会う前の健司は、やりたいことがあるのにも関わらず、それが叶わない状態で、それこそ美雪のいた世界じゃないけれど、心の中はモノクロの状態だったんじゃないかと思います。それに、美雪が現実世界に飛び出してきたことに対しても普通に受け入れられるということは、健司自身がどこか幻想的な考えを持っていたんじゃないかと思うんですよね。そういう夢見る青年だった彼が、美雪と出会ったことで少し成長したというか、初めて目にするカラフルな現実世界に対して無邪気にはしゃぐ美雪と接することで、自分の世界にも色を取り戻していったんじゃないかと思います。

――健司は映画監督を目指しつつ、今は映画会社のスタジオで助監督をしているという設定です。とはいえ、今の助監督さんとは少しイメージが違いますね。

この映画の時代設定が少し昔だったので、当時の資料を集めたものを読ませてもらったんですが、助監督さんを含め、皆さんがタイドアップ(=ジャケットを着るなど、ドレスアップした格好)していて、すごくカッコいいなと思いました。とはいえ、健司は助監督といっても、撮影現場における下っ端で、本当に何でもやる感じだったので、助監督であることはあまり意識していませんでした。