──四郎は無声映画時代に上映に合わせて生演奏をする、楽士だったという設定ですが、この「楽士」についてはご存知でしたか?
知らなかったですね。弁士は有名ですけど、楽士もいたんだなと思いました。
四郎は本当は音楽家を目指していたんですけど、それでは食べていけないから、仕方なく映画館で楽士をしていたんですよね。だから、(映画のトーキー化で)首になった楽士たちがデモを起こしているシーンでは、みんな声を張っているのに、四郎だけ牛乳とパンを持っているんです。やる気ないんです(笑)。でも、その分、音楽への情熱は人一倍なんだと思いますね。
──そういう点でも、四郎がアコーディオンを演奏するシーンは重要ですが、練習は大変だったのでしょうか?
そうですね。3週間みっちり練習したんですけど、全然うまくならなかったですね(笑)。しかも、四郎が自己紹介がてらに弾く「チャルダッシュ」という曲は、アコーディオンの先生にも「これは難しいですよ。私も弾けませんから」って言われて(笑)。そんなのピアノも弾けない僕が、アコーディオンで弾けるわけないじゃないですか! それで、自分で弾くところ、吹き替えの方が弾くところに分けて撮影しています。
アコーディオンって、左手でたくさんのボタンを押してベースを弾いて、右手では鍵盤を弾くんです。何回か、脳みそがショートしましたね…。
この練習のために撮影現場へ通っていたので、クランクイン前から、他の出演者の方たちとは打ち解けていました。アコーディオンの練習で良かったことはそのくらいで、あとは地獄でしたね(笑)。
──四郎にモデルはいるのですか?
「ミスワカナ・玉松一郎」という夫婦漫才コンビだと聞いています。でも、「わろてんか」の「ミスリリコ・アンド・シロー」として演じているので、あまり意識していません。リリコは既にキャラクターとしてでき上がっていましたし、モデルに引っ張られずに柔軟にやろうと思っています。
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