上戸彩さんには「華」がある。しかもその華は危うく、もろい美しさを秘めている。私は上戸さんの作品を見るにつれ、そう感じてきた。それが上戸彩という女優の魅力だと考えていた。
今回のドラマは、女優・上戸彩にとって実に「3年ぶり」となる。しかし、全くそのブランクは感じさせない。「華」は一層あでやかになり、「強さ」と「深み」が加わったからだ。貫禄さえ感じさせられる。
そんな上戸さんの姿や演技表現を、いち早く視聴者の皆さんにお届けできる喜びを感じている。
今回初めて上戸さんとお仕事をしてみて、わかったことがあった。それは上戸さんがとても気遣いの人だということだ。現場でスタッフの一人一人に気を配り、若いアシスタントに至るまで声をかけ、場を盛り上げようとする様は、プロデューサーの私から見ても「神技」である。
現場は全てが上戸さんを中心に回っていたといっても過言ではない。主演の竹野内さんも、寛 一 郎さんも、監督でさえも、上戸さんが何か撮影上のアイデアを出すと、嬉しそうな顔をして、「いいね!」と言う。またそのアイデアが革新的、斬新で素晴らしいのだ。
当然、役者や制作陣の一人一人が積極的になり、作品の質はどんどん良くなってゆく。以前に増して上戸さんの演技に磨きがかかったことは前述したとおりだが、そういったプロデューサー的な気遣いや目配りも、この作品を成功に導いた大きな要素だと確信している。
中でも、7年前の誘拐事件の被害者の女の子と対面するシーンは、圧巻である。祐里が取材を越えて、同じ女性として女の子に真正面からぶつかってゆくこの場面に関しても、数々のアイデアが上戸さん本人から出された。そのおかげで、とてもリアリティに溢れた、ドラマ史に残ると言っても過言ではない素晴らしいシーンになった。
視聴者の皆さんは、上戸さん演じる祐里に同化した気持ちで、笑い、怒り、喜び、悲しみ、闘う。まさにそんな疑似体験をすることになるだろう。3 年ぶりのドラマ出演......スケールアップした上戸彩を堪能して頂きたいと思っている。
「被害者の女児は死亡」――中央新聞の記者・関口豪太郎(竹野内豊)と藤瀬祐里(上戸彩)は、世間を震撼させた連続誘拐殺人事件で世紀の大誤報を打ち、豪太郎は支社に左遷され、祐里は遊軍にされてしまった。
凶悪事件から7年。誤報の責任を負わされた豪太郎は、各地を転々としていた。今は須賀誠(升毅)らが在籍するさいたま支局で、「読者が望んでいるのは真実をより早く、正しく伝えること。それがジャーナルだ」という口癖で新人記者・岡田昇太(寛 一 郎)を叱責しながら、粛々と事件を追い続ける毎日だった。
そんな折、女児が誘拐される事件が2件発生する。岡田の調べで判明したある事実に、豪太郎は7年前の連続誘拐殺人事件との関連性を疑う。事件当時、豪太郎たちは「犯人2人説」を主張していた。
「事件にはやはり共犯者がいて、7年前に逃げきった共犯者が、今回、再び事件を起こしているのではないだろうか・・・」。事件は解決していない。そう思った豪太郎は本社社会部部長となった元上司の外
山義柾(木下ほうか)に連絡し、本社からさいたま支局への応援要請をするが、取り合ってもらえない。
豪太郎の過去を知る本社の辻本剛志(徳重聡)、井上美沙(水沢エレナ)、加藤拓三(松尾諭)らも応援に行きたがらない。手を挙げたのは遊軍記者となっていた祐里だけだった。
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