――ボディーガードを描くことに決めたきっかけや、どんなことを伝えていきたいですか?
内山:私は自分がサラリーマンだからかもしれませんけれど、職人が好きなんですね。ボディーガードって名前はカッコいいけれど、本当に裏方。木村さんとか上川さんとか、みなさんカッコいいからスタイリッシュに見えるけど、ボディーガードは用心棒、ただのつっかえ棒なんですよね。華々しいものではなくて、あくまで華やかな人に脅威が及ばないようにつっかえ棒になる、その職人ぶりを最初から最後まできちんと伝えられるといいなと思っています。そういう苦労はきちんと描いていきたいです。
三輪:警察官とか消防士のように、仕事としてやっているのに、命を賭けなければいけない瞬間がある職業は、絶対に自分ではできないので、無条件に尊敬しています。そこにあるロマンみたいなものを出せたら、裏方という影だからこそのかっこよさみたいな部分は、みなさんうまくやっていただいていて、ありがたいです。
――ボディーガードは何も起こらずに任務完了することを理想とする職業で、そんな彼らをドラマチックに描く難しさはどんなところでしょうか?
内山:そうなんです、本当はアクションやっちゃいけないんですよね(笑)。
三輪:アクションをする必要のない警護が合格ではありますが、きっと影ではいろいろ戦っていると思います。
内山:水面下で実はいろんなことを阻止していて、傷を負っていたとしても、表に出てきたときには何にもないっていう美学が伝わっていれば…という思いです。私や三輪さんは、台本の打ち合わせで、最初からアクションシーンは入れていません。監督や男性プロデューサーたちは“輩と戦う”というようなシーンを作ろうとするので、そこは多少男女の差は作り手にあるんだなと感じています。アクションシーンや、何かを守るために自分の身を捧げる瞬間ってカッコいいですから、入れたくなる気持ちも分かります。
三輪:でも、きっとそういう部分がメインにはならない作品だと思うので、そこのさじ加減はきちんと考えたほうがいいなと思っていますね。
内山:「何も起こらないのか!」って思っている男性プロデューサーとかもいますからね(笑)。打ち合わせでのこういう感じもおもしろいですよ。私たちは、“誤差なし”がピークですから。
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