そんな「シグナル―」でまず注目は、本作が連ドラ初主演となる坂口。2014年の俳優デビュー以降、ドラマ「コウノドリ」シリーズ(2015年ほかTBS系)、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(2016年NHK総合ほか)、「東京タラレバ娘」(2017年日本テレビ系)と着実にステップアップしてきた。
ドラマ関連の連載もあるお笑い芸人・こじらせハスキーの橋爪ヨウコ氏は「とにかく報われない役が多かった坂口さんが、過去の事件により心に傷を負った警察官・三枝健人を演じる。既に役柄が報われていないが、どうにか最後はハッピーエンドに終わってほしいと思う作品」と坂口に期待する。
共演陣にも味のある俳優がそろった。ドラマ通のライター・小田慶子氏は「北村一輝と渡部篤郎という善人にも悪人にも見えるクセ者がそろったのも期待要素。『アンナチュラル』(TBS系)など、6クール続けて連続ドラマに出演中のバイプレーヤー・池田鉄洋にも注目したい」とコメント。
原作となったドラマは、リアルな人間描写と緻密な構成で、韓国国内で数々の賞を獲得した。
メディアジャーナリストの長谷川朋子氏は、「良作のドラマ作りにこだわるカンテレが日本だけでなく、世界にも目を向けて原作を探し求めた結果、この作品にたどり着いたという。オリジナルは名作『ミセン』を生み出した韓国のスタジオ発。リメークドラマは過去にも『銭の戦争』などしっかりヒットさせていますから、今回も期待してしまいます」と局の実績を踏まえて語る。
“過去に生きる刑事”が登場するという異色の筋書きについては、テレビ・ドラマ解説者の木村隆志氏が「『未解決事件×無線機ファンタジー』のコンセプトは、いかにもカンテレらしい攻めの姿勢。尾崎将也の脚本だけに、韓流原作を上回る緻密なヒューマンサスペンスになりそう。現在と過去が交錯するシーンは、どんな演出となるのか。テンポのいいカットバックで、視聴者をグイグイ引っ張ってくれるはず」と予想。
旬の主演俳優と異色の素材を掛け合わせた本作が、どんな化学反応を見せるか注目だ。
【識者プロフィール】
●ライター 小田慶子(おだけいこ) テレビ誌編集者を経てフリーライターとなる。日本のドラマ、映画に精通しており、雑誌やWebなどで幅広く活躍中。
●テレビ・ドラマ解説者 木村隆志(きむらたかし) 各媒体に月20本を超えるコラムを提供し、「新・週刊フジテレビ批評」(フジテレビ)などにもコメンテーターとして出演する。
●お笑い芸人 橋爪(はしづめ)ヨウコ 2002年にデビュー。2014年からはドイツみちこと〝こじらせハスキー〟として活動。テレビ好きで、ドラマ関連の連載も持つ。
●メディアジャーナリスト 長谷川朋子(はせがわともこ) フランス・カンヌで開かれる世界のテレビコンテンツ見本市を約10年取材。エンタメビジネス事情が得意分野で、多くの媒体で執筆。
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