女方や清元節も聴ける!? 尾上右近が古典音楽や歌舞伎の魅力をたっぷり紹介

2018/04/02 19:00 配信

芸能一般 インタビュー

僕なりのルフィとして


――清元と歌舞伎の両立や新作歌舞伎への出演、また7月に控えているストレートプレイの主演など右近さんが開いてきた道、のようなものがあるかと思うんですが…。

いろんなことにチャレンジしていく中で、見えてくるものがあると思っています。その答えはこれから先にあるんじゃないかなと思っているのですが。

何かきっとあるはず、という胸の高まりとか、わくわく感が好きなんですよね。より難しい、困難な道を進んだ方が自分にとって得るものがあるのではと思ってしまう性格なので、それを貫いています。

ただ、ラジオにしても「ワンピース」にしてもストレートプレイにしても、自分で「やりたい」って言ってすぐにできることではないので、願っていてもかなわないことがこうしてかなうというのはご縁だなと。みんながみんなできることではないと思うので、そういう意味では何か大きな力に自分が助けられているような、導かれているような感じがしますね。だからそれを裏切らないようにしたいなっていう気持ちが強いです。

――今お話にも出た「スーパー歌舞伎II ワンピース」、4月の大阪公演と5月の名古屋公演では市川猿之助さんとWキャストで主演のルフィを演じますね。

そもそも2017年の東京公演では本公演とは別に、猿之助さんのアイデアによる「麦わらの挑戦」という若手がメインの役どころを演じる公演が設けられていて、そこで初めて舞台の真ん中に立つということを経験するはずでした。

それが猿之助さんの休演に伴って代役としても舞台に立つことになって、さらにキャパオーバーするような出来事に出くわしたというか。

何とかもがきながら舞台を務め、もがき終えた今、あらためて超えるべき壁だと感じています。

同じ格の役者がWキャストなわけではなく、かたや先輩でワンピース歌舞伎をお作りになった猿之助兄さんと、あくまで代役を務め終えさせていただいたという若手の僕ですから。

僕にとってはすごいプレッシャーでもありますが、同時にありがたいことでもあるなと感じているんです。“代役を務めた”ということを、世間様なり猿之助のお兄さんが認めてくださって実現したWキャスト。

今度は「プレッシャーに負けずよく頑張った」ということではなく、僕なりのルフィとしてきちんと評価されることが、僕が感じている感謝に対する恩返しになると思っています。

そのためにはより落ち着いて、役を自分のものにしていく必要があると思うんですよね。だから力を抜いて、より自由に、より自分らしく、縛られないでたたかうつもりです!