あまり大きな声では言えないが、普段からそれほどアニメを見るタイプではないだけに、これまでの「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズもご多分に漏れずちゃんとリアルタイムで見たことがなく、比較めいたことはできないのだが。
ファン待望の第6期。舞台が現代ということもあって、初っ端に渋谷のスクランブル交差点が登場するあたり、アニメ慣れしていない人でも入りやすくなっていた。
スクランブル交差点のクオリティーも高く、「今回の鬼太郎って実写版だったっけ?」と迷い込んだほど。
…それはいくらなんでも言い過ぎました。お詫びして訂正します。
つまり、それくらい丁寧かつリアルに現代が描かれていると言いたいのだ。
そして、これまた現代っぽいのがいきなりのYouTuber登場。そう「チャラトミチャンネル」のチャラトミくん。
この彼、いくらなんでもチャラ過ぎるし、やることが大胆過ぎる。
でも、ある現象が起きたとき「自業自得だ」って展開になるのかと思いきや、そこからの急展開は見事。平和慣れした現代への警鐘という意味なのか、罪なき罪深い傍観者たちにも容赦なく降り掛かるソレ。
思わず「じぇじぇじぇ!」と言いたくなるほど、勢いよく「ゲゲゲの鬼太郎」の世界に引き込む描写は、雑に褒めると「すっげー! やっべー! マジ卍」そのものだ。
また、今回から声優が沢城に替わった鬼太郎。試しにさかのぼって過去の鬼太郎の声を聞いてみると、全然違和感がない。似ている似ていないとか、近いとかそういう意味ではなく、違和感がない。
トーンが絶妙というか、静かに情熱を秘める感じが素晴らしい。“すごみ”すら感じる。
目玉おやじが「鬼太郎~!」と叫ぶシーンも見どころ。しばらくは「あれ? 鬼太郎が鬼太郎を呼んでいるぞ?」と思っちゃうファンの人もいるかもしれないが、個人的には目玉おやじって元々野沢雅子だったよね、って思ってしまうほどハマっていたと思うけどなあ。
ほか、気になったところは、鬼太郎の“探し方”の今っぽさ、“妖怪ポスト”から手紙が運ばれるさまのほほ笑ましさ、そして目玉おやじの照れ笑い、あいさつ代わりにしては強過ぎないか?の敵に、衝撃ラスト…。
特に第1話って、あいさつ代わりの敵が出てきて、主役の強さや特徴をアピールして、今後見やすくするのが通例だが、いきなり天に誓ってガチなのがこの作品。いやはや焦った…。
本当に30分番組なのに見どころがギュギュっと凝縮されていて、おら、おなかいっぺえだぞ!
目に見える世界だけがすべてじゃないということは、やはりこの世界にも知らないうちに何かがいるのだろうな。
そういえば、最近なんか急に記事を書くのがおっくうになることがあって、何でだろう…何でだろう。何でだ何でだろうと思っていたが、やっと分かった。
全部妖怪のせいだ。
文=人見知りシャイボーイ
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