椎名桔平が金融界のダークヒーローを熱演「のりしろがある作品です」

2018/06/06 08:00 配信

ドラマ インタビュー

「連続ドラマW 不発弾 ~ブラックマネーを操る男~」に主演する椎名桔平にインタビューヘアメーク=五十嵐良恵(MARVEE)/スタイリスト=中川原寛(CaNN)

スタッフに年齢表作成を依頼!?


――古賀遼の第一印象を教えてください。

「幸せ」とは言えない生い立ちにドキッとしましたね。幼いころから劣悪な環境で母親(山口美也子)と妹(入山杏奈)と生活していたり、東京に出てきてもどうにもならないことが起きたり…かわいそうですよ。後に知り合った人の力を借りて知恵をつけていくのですが、学歴も素養もないはずなのに、最終的に金融コンサルタントまでのし上がるのは古賀の“人間力”の高さなのかなと感じました。

彼は決して自分のために成功しようとは思っていないんですよ。経験を積んで活躍していくけど、お金を目的としていないし執着心があるわけでもない。そこが古賀の興味深さというか面白いところでした。自分を飾らないで生きていく、彼の精神力とかたくましさに魅力を感じましたね。

――古賀の人生を通して過去と現代が交差する物語ですが、役へのアプローチが難しかったのでは?

若いころの古賀は三浦(貴大)くんが演じ、僕は20代後半〜50代を演じます。確かに当時の時代背景と自分の成長度合いを見詰めながらやっていかないと「難しいな」と高いハードルを感じましたが、その分やりがいはあるなと思いました。

過去と現代が行ったり来たりするのは撮影も一緒なので、クランクイン前に古賀の年齢表を作ってもらったんですよ。年齢を整理することで、自然に感情が乗ってくるものだと思いますし、いかに早い段階で“年齢の違和感をなくすのか”は重要なポイントでした。年齢表があると撮影をしていても「今自分は何歳だな」って分かりやすいですし(笑)、スタッフの皆さんと共通意識を持てる。そうすることで不思議と年齢に合わせた振る舞い方や言葉遣いになっていくメリットがありました。

――演じる上で具体的に意識したことはありますか?

人間っていろいろな「自分」がいるじゃないですか。多分僕にも古賀のような一面が少しあると思うので、同調できる部分を大きくする作業をしました。自分の色を古賀の色とどう配色して作っていくのか考えています。

先ほど人間力の話をしましたが、自分にはほとんどないと思っているので(笑)、どうやって彼の持つ大きな人間力を作ろうか…と思索を巡らせています。今回の役どころは、ご覧になっている方にも共感できる要素を持っている人物なので、それを生かして演じていきたいです。

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