波瑠も「新しいタイプのドラマになる!」と宣言! テレ朝刑事ドラマの魅力とは?

2018/05/08 12:00 配信

ドラマ

「警視庁・捜査一課長」は毎週[木]夜8:00-8:54放送中


多くの人に愛される刑事ドラマの魅力とは?


“文字や文章”を糸口に未解決事件を解決していく新感覚ミステリー「未解決の女 警視庁文書捜査官」(テレビ朝日系)。波瑠演じる正義感と情熱を武器に事件に奔走する女刑事・矢代朋と、鈴木京香演じる対人関係が苦手な文書解読のエキスパート・鳴海理沙がバディを組み、未解決事件を捜査していく。

「相棒」や「警視庁・捜査一課長」「特捜9」(全てテレビ朝日系)など、幅広い刑事ドラマを作ってきたテレビ朝日が、女性を主人公に描く新しいタイプの刑事ドラマ。「女性主人公や事件解読の鍵に“文書”を使うのは新しいですが、ドラマの裏の人間ドラマやキャラクター造形などは、これまでのテレビ朝日に脈々と受け継がれている作品と変わらないです」と語るのは、服部宣之プロデューサー。

今回は、「未解決の女」を含めた “テレ朝刑事ドラマ”のヒットの法則をひもとき、視聴者をとりこにする理由を明らかにする!

法則 1 静と動の2人が組むバディ


年齢もキャリアも違う2人が意見を戦わせる!

「相棒」(2000年ほか)をはじめとして、刑事ドラマでは欠かせないバディ。本作は、肉体派熱血刑事・矢代朋と文字フェチの頭脳派刑事・鳴海理沙がバディを組む。「原作は男女だったのですが女性同士に。朋はすぐに問題を起こすし、理沙は人嫌いと完璧ではないキャラ。年齢、経験も違うので、それぞれの正義を持って互いに高め合いながら事件を解決していきます。相反する2人が組むと異なった意見が出て、物語に幅が出てきます」(服部P)

法則 2 モノに着目して事件を解決


誰もが書く文書をヒントに事件をひもとく

残された遺留品をヒントに事件を解決する「遺留捜査」(2011年ほか)など、通常の足で稼ぐ捜査だけではないアプローチを見せる作品も多い。本作は文書をキーワードに事件を解いていく。「文字や文書を事件のとっかかりや解決のヒントとなる着眼点として使用しています。ドラマは、あるかもしれないの“かも”を大事にすることで感情移入しやすくなるもの。文字や文章は誰もが使っているものなので、リアリティーを感じやすいと思います」(服部P)

法則 3 他部署までキャラが立っている


嫌みだけれど意外と身近にいそうなキャラクター

一筋縄ではいかないキャラクターや警察内部の対立を描くのも特徴の一つ。「警視庁・捜査一課長」のようにいろんなタイプの刑事が出てくることで物語の幅が広くなる。「部署内の対立や嫌な人など、どこの会社にも起こっている出来事だと思います。警察も会社と変わらないと身近に感じてもらえれば。脇のキャラは変だけど地に足が着いているのがテレ朝風。今回は室長の古賀清成(沢村一樹)が嫌みを言う嫌なキャラです」(服部P)

法則 4 事件の裏にある人間ドラマまで描く


女性ならではの着眼点で事件に寄り添っていく

古くは「はぐれ刑事純情派」(1988年ほか)など、テレ朝刑事ドラマに欠かせないのが人間ドラマ。本作は女性ならではの着眼点で事件を解決に導いていく。「トリッキーなものは逆に少なく、裏にかならず人間関係が見え隠れする事件を大切にしています。特に今回は、未解決事件を掘り起こすことが正義なのかという疑問も丁寧に描きます。誰のために事件を解決するのか…気持ちの部分でも視聴者の方が納得してもらえたらと思います」(服部P)

法則 5 多彩な脚本家が刑事ドラマを描く


大森美香がキャラクターを生かした物語を描く

「相棒」の輿水泰弘や古沢良太、「特捜9」の深沢正樹ら、コメディーや恋愛ドラマを描いていた名手が脚本を担当し、刑事ドラマに新しい波を。本作は連続テレビ小説「あさが来た」(2015~2016年NHK総合ほか)の大森美香が担当。「大森さんならではのそれぞれの人物描写の面白さが見どころ。刑事ドラマのスペシャリストも魅力ですが、全く違うタイプの脚本家の方が描く作品はバリエーションも豊富で面白いです」(服部P)

主なテレビ朝日系刑事ドラマ


◆1988~2005年「はぐれ刑事純情派」

正義感と人情あふれる安浦刑事(藤田まこと)が、犯罪に苦しむ被害者や加害者のことを考えながら捜査する。

◆1999年~「科捜研の女」

法医研究員の榊マリコ(沢口靖子)が科学的に事件を解決していく人気シリーズ。警察組織との反発も見どころ。

◆2000年~「相棒」

水谷豊演じる杉下右京と相棒が推理力と洞察力を駆使して捜査に挑む。タイプの違う相棒との掛け合いも人気。

◆2011年~「遺留捜査」

被害者の残した遺留品から事件を解決する上川隆也主演の人気シリーズ。人情に注目を置いて事件を解決していく。

◆2012年~「警視庁・捜査一課長」

シリーズ3作目。たたき上げで捜査一課長になった大岩(内藤剛志)が、部下を鼓舞しながら解決に導く。

◆2014年「BORDER―」

死者と交信する能力を持った石川安吾刑事(小栗旬)が正義と法について葛藤しながら事件を解決する姿を描く。

◆2014年~「緊急取調室」

取調室を舞台に、天海祐希演じる真壁有希子刑事がクセのある犯人と対決。田中哲司、小日向文世など同僚も魅力。

◆2018年「特捜9」

前身の「―9係」(2006~2017年)から続けるとシリーズ13作目。キャラの濃い6人の刑事が登場。

取材・文=玉置晴子

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