是枝裕和監督「万引き家族」でカンヌに降り立った11歳・城桧吏 大器の片りん見せる

2018/05/15 12:23 配信

映画

「万引き家族」でカンヌ映画祭へ!11歳の城桧吏に注目(C)2018『万引き家族』 製作委員会

フランス・カンヌで行われている第71回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門の出品作「万引き家族」(6月8日公開)の公式会見が現地時間14日に行われ、是枝裕和監督とリリー・フランキー樹木希林らキャスト6人が出席。一家の長男・祥太を演じた城桧吏(じょう・かいり)は、カンヌ初体験とは思えない堂々としたふるまいを見せた。

リリー・フランキー「是枝作品は特別な時間」


「万引き家族」は、高層マンションの谷間にポツリと残された平屋を舞台に描かれる物語。その家に住む初枝(樹木)の年金を目当てに転がり込んだ治(リリー)と信代(安藤サクラ)夫婦とその息子・祥太(城桧吏=じょう・かいり)、信代の妹・亜紀(松岡茉優)は、足りない生活費を万引きで稼いだ金で補いつつ笑顔を絶やさず暮らしていた。いびつな一家の前にある日、体中傷だらけの幼い少女(佐々木みゆ)が現れる。見かねた治が少女を家に連れ帰り、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラになり――というストーリー。

コンペティション部門への出品は映画「海街diary」(2015年)以来3年ぶり5回目となる是枝監督は、作品について「たぶんこの家族が実際にいたら、ただの犯罪者の集まりでしかないだろう。ただ、(万引きで生計を立てる犯罪者というだけではない)ある種の豊かなつながりがあの家族にはあって、僕たちが感じない色や光があって、その家族の姿を描くことで、逆にこちら側の僕らの家族とか共同体ってものが逆に照らされる。そんな存在としてあの家族を描きたい。彼らが感じている喜怒哀楽をきちんと描きたいと思いました」と語り、“家族”という視点を強調。

「そして父になる」(2013年)、「海よりもまだ深く」(2016年)など是枝作品にたびたび出演してきたリリー・フランキーは、「是枝作品に参加させてもらうことは僕にとって特別な時間。僕、あまり感動したって思う性格じゃなくて、人生で今まで2回しか感動したことがないんですけど、その2回が『そして父になる』でカンヌに連れてきてもらってスダンディングオベーションをいただいたときで、2回目が昨日の夜(の公式上映でのスタンディングオベーション)」と独特の表現で喜びを語り、詰めかけた取材陣の笑いを誘った。

松岡茉優と手をつないでレッドカーペットへ


記者会見で堂々とした受け答えを見せたのが、祥太役の城と一家の“娘”になる少女を演じた佐々木。二人はともにオーディションで本作に抜擢された。

中でも、会見で「家族をモチーフにした作品に出演して、新たな家族に出会えたか?」と尋ねられた城の「万引きすることは悪いことなんですけど」の前置きに、取材陣は思わず笑顔に。城は続けて「すごく楽しい家族だなぁとか、にぎやかで温かい家族だなと思いました」と是枝監督の意図を汲みとったコメントを残し、会場を沸かせた。

現地時間13日深夜に行われた公式上映には立ち会えなかったが、レッドカーペットには正装で登場。城は樹木と腕を組み、松岡と手をつないでカーペットを堂々と歩き、関係者らに大きく手を振るなど堂々とした振る舞いを見せた。翌14日のフォトコールでも、たくさんのカメラに動じることなくにこやかに手を振り、大物ぶりを見せつけた。