――お二人とも原作の漫画を読まれたと思いますが、その感想は?
小松「私は漫画の実写化作品を結構やらせていただいているんですが、普段はあまり漫画を読まないんですよね。だから、出演のオファーをいただいてから原作の漫画を読ませていただくことが多く、今回もそうでした。でも、実際に読ませていただくと、絵の感じが昭和テイストというか、今の感じとは少し違っているのと、表紙などで使われている色使いがとてもステキだなと思いました。それに、店長(近藤)に思いを寄せるあきらの姿を見て、理屈じゃない恋ってこんな感じなのかなと思いました」
大泉「私も大人になってからは、そんなに漫画を読まないんですけど、もともとキュンとするものが大好きなので、これはドンピシャの漫画でした。設定は全然違うんですけど、昔で言うならば、あだち充先生の「タッチ」とか。登場人物たちの一向に進まない関係にキュンキュンしてましたから(笑)。だから、この原作にもキュンキュンしたし、そういう恋愛のキュンキュンと青春のキラキラがうまく融合した作品だと思いました」
――小松さんが演じるあきらは、親子ほど年の違う近藤(大泉)に思いを寄せる女子高校生という役柄でしたが、演じる上でかなり悩まれたそうですね?
小松「漫画原作というのもあって、原作を読むと、絵もステキですし、すべてが完璧に見えるんですよね。だからこそ、店長への告白にしても、劇中で5回“好き”と伝えるシーンがあるんですけど、それが変にベタベタして見えてもイヤだと思ったし、あきらの気持ちを考えても、その一つ一つで気持ちが違うんだろうなと。もちろん、脚本のト書きには“泣く”とか、“怒る”とか、いろいろ書かれているんですけど、自分が本当にその感情になるのかと言われると、役と自分は違うので、そういう部分では悩みました」
――そうやって小松さんが悩んでいるときに、声を掛けてくださったのが大泉さんだったとか?
小松「あきらが風邪を引いた店長を見舞うシーンがあるんですけど、そのときにどうしても私の気持ちが追いつかなくて。そうしたら大泉さんが『一度、休憩しよう』と言ってくださって、私だけに聞こえるような小さな声で、ここにいたるまでのあきらの心情を一緒にたどってくださったんです。役をやっているときは孤独だなと感じるときもあるんですけど、大泉さんの言葉によって『自分は一人じゃない』と思うことができました」
大泉「あれはとんでもなく難しいシーンだったし、それでいてハードルの高いものを要求されているのがみんなわかっていたから。でも、この人は絶対に逃げなかったですからね。もし自分なら、あの状況は耐えられないと思うけど、とんでもないウルトラCを出そうとしている小松さんの姿を見て、本当にすごいなと思いました」
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