元宇宙開発機構の研究員だった佃航平(阿部寛)が、父が遺した下町工場・佃製作所を継ぎ、自分の夢と会社経営という現実の壁に挟まれ、葛藤する姿を描く。
佃製作所で経理部長を務め、番頭として会社経営を支えるのが、立川談春演じる殿村直弘だ。
無口な性格だが、会社に対する愛着は人一倍あり、佃製作所を想うがゆえに、ときに厳しい物言いをすることも。不器用ながらも会社に愛情を注ぐ、“ぶきっちょ番頭”である。
そして、まだ記憶に新しい2017年10月期の大ヒットドラマ「陸王」。経営を立て直す打開策として、老舗足袋業者「こはぜ屋」4代目社長・宮沢紘一(役所広司)は、新規事業開発を試みる。
資金繰りやライバル企業の妨害など、さまざまな困難に立ち向かう男の姿を描く本作。この「こはぜ屋」の大番頭が、先代の社長時代から働き続けている富島玄三(志賀廣太郎)だ。
新規事業を進めたい宮沢に、時に厳しい現実を突きつける保守的な面がある一方で、「こはぜ屋」を守りたい気持ちは宮沢と変わらず、経営再起のために力を尽くす。勤続40年以上の“ベテラン番頭”だ。
池井戸作品で番頭たちが輝くのは、信じる道へ真っすぐ一直線に突き進む主人公の存在によるところが大きいのかもしれない。
ともすればワンマンになりかねないリーダーを盛り立て、鼓舞し、時にはけんかをしてでも止めに入る。その絶妙なバランスが、多くの人から感動を呼ぶことになるのだろう。
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