脚本を読んだ時、自分の地元を思い出して胸が苦しくなりました。
懐かしい日々がキラキラと輝いて見え、戻ってみたいと思った自分に切なくなりました。でも、今が不幸せな訳ではない、と思いたい。
撮影に打ち込み、この気持ちを昇華出来た気がします。
この映画は心にモヤモヤを抱えたまま大人になった、何者にもなれない人々の救いになると思います。
ふとやってくる退屈の中で思い出した青春が、ひとつのきっかけで再び交錯していきます。
過去を探すひと、乗り越えようとするひと、忘れたひと、そういうひとたちの想いが重なった映画だと思います。
田舎独特の閉鎖感、女の子のもつ空気感、ファミレスでの何気ない会話、誰もが経験した事あるようなそんな平坦な日常をリアルに感じて頂きたいです。
幸せとはなんのか、私自身も考えさせられました。
女の子という生き物は、10代の青春真っ只中でも、20代の拗(こじ)らせ真っ只中でも変わらず何かを探していて、きっとどこかに行けると信じている事を実感しました。
富山の澄んだ空気の中、閉塞感や心のヒリヒリとした痛みを感じながらサツキを演じました。
刺激的なキャスト、スタッフ、廣木監督とこの作品に感謝しています。
廣木組という僕の中での"頂"。どういう導線を描くのか。
そしてそれらすべてを、そして身体を投げうる覚悟はあるのか。
あの独特の緊張感の中、ただ相手を反射するようにキャメラの前へ立てるのか。
そして譲りたくないと強く思うハートに火がついているか。そんなことです。
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