6月30日(土)、いよいよ玉山鉄二が赤塚不二夫を演じるドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」(毎週土曜夜8:15-8:45 ※初回のみ夜7:30-8:45)がスタートする。
天才ギャグ漫画家で面倒見がよく誰とでもすぐに打ち解ける反面、非常識な行動を繰り返す“ダメな父親”・赤塚不二夫。彼がなぜ多くの人に愛されたのかを描く本作で、玉山は当初、自身が赤塚不二夫を演じることに不安を抱いていたという。
赤塚不二夫について調べるうちに「この役をやらなければならないと思った」と語る玉山に、役へのアプローチの仕方や、撮影中の裏話を聞いた。
──オファーを受けた際の心境と、出演を決意された理由を教えてください。
オファーを受けた時は正直なところ、「(赤塚を演じるのは)僕じゃないんじゃないのかな」と思いました。僕は赤塚さんについて、がむしゃらにギャグマンガを描き続けて、“バカ”をやり続けた人っていう、上辺の知識しか無かったんです。
けれど、赤塚さんのドキュメンタリーを見たり、当時の赤塚さんの映像を拝見するうちに、彼の「笑い」の奥に、戦争体験をした上で気付かれた“笑いの素晴らしさ”があるんだと知りました。
彼がすごく大事にしてたのは、“博愛する”こと。貧乏人も金持ちも、天才もそうでない人も、ハンデを背負っている人もそうでない人も、垣根を取っ払ってバカをやって笑いに包まれれば、自然とみんなが手と手をつないで笑顔になると。そういった赤塚さんの考え方を知って、僕はこの役をやらなければならないと思い、引き受けさせていただきました。
──実在の人物を演じるという面での、難しさはありましたか?
常に責任感が付きまとっていますし、ある大きな十字架を背負いながら演じなければいけない、と思っていました。でも、そこに凝り固まってしまうと赤塚さんが本来伝えたかったセオリーから外れてしまうとも思い、あえて気負うことなく、僕の持っている理性的な部分のブレーキを外して暴れ回ろうと決めました(笑)。
──赤塚さんの実の娘さんで、本作の原作者でもある、赤塚りえ子さんにはお会いしましたか?
フジオ・プロでお会いしました。りえ子さんは、「本当にうちの家族は変なんです。私にはパパもママも2人いますけど、愛情に包まれていて、他の家族より幸せだって胸を張って言う自信があります」とおっしゃっていましたね。
それから、「明日から俺のことを社長と呼ぶように」っていう貼り紙を見つけました。赤塚さんがマジックで書いて壁に貼ったものらしいのですが、当時、(2番目の妻の)眞知子さんが“社長”と呼ばれていることを赤塚さんは気にされていたそうで、「俺も社長と呼ばれたい!」と、そんな貼り紙をしたそうなんです。そういう愛嬌というか愛くるしさみたいなところに、皆から愛される理由があるんじゃないかなと感じました。
──そうした下調べや取材が、赤塚さんを演じる自信につながったのでしょうか?
そうですね。りえ子さんにも、「玉山さんが感じたように、自由にやってください」と言っていただきました。
赤塚不二夫さんを描いた映画やドラマって、結構たくさんあるんですよね。でも、やるからには“ナンバー1”にならなければ意味がないと感じていて。「(赤塚不二夫役を)お引き受けします」って言った時には、“この作品は必ず成功する”という自信がありました。
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