――念願の野島脚本ということですが、台本と向き合う時間はいかがですか?
石原:初めて台本をいただいた時は震えました。とても、とても、うれしくて。今、6話まで私のところに来ています。ですが、なかなか難解だなあというのと、「実はこのせりふが、最後のあのせりふにつながっていた」「実はこのせりふは、この人のことを言っていた」「実はこのせりふが2話につながっていた」ということが、台本が出来上がっていくと、全部逆算できて分かってくるんです。野島さんは今1話完結型のドラマが多い中で、連続ドラマっていうものの可能性をとても信じていらっしゃるんだなと、すごく思いました。だから、せりふを変えずに、丁寧に言うことが、野島さんが書かれた思いっていうものが、細かく細かく、つながっていくんだなと。あと、感情が一つで定められないんです。この人がこのせりふを言っているのはうれしいからではなくて、その裏には憎しみとか苦しさとかがあったり、怒っているようでそれは愛情の裏返しだったり。喜怒哀楽の4つにカテゴライズできなくて、10通り以上あるんじゃないかなと、感じられるんです。その感情の幅や細かさが、自分の経験上分かるところもあるし、人に聞かなきゃ、監督と話さなきゃ分からないところもあって、せりふの一つ一つを確認しています。
――見ている側としてはあとあと振り返って見ると、また感じ方が変わってくる?
石原:そうですね。「あ、このせりふがこれ(伏線)になっていたんだ」と(つながるはずです)。それに、それぞれ見てくださる方の経験値だったりとか、その時の感情とか、一緒に見る人だったりとか、状況で心に引っ掛かる言葉が変わるなとすごく思います。
――峯田さんは石原さんとの初共演、いかがですか?
峯田:今、彼女がおっしゃっていた通り、現場でも、例えば「ここ分かんない」とか「ここどうしたらいいんだろうか」とかいう場面に遭遇しても、僕は黙っているんですね。そこで、監督とかに、何も言わないんですね。でも、石原さんは、「自分がちゃんと納得してやりたい」っていうのを、丁寧に監督にもぶつける。モノを作っている現場にいるっていうことを見て分かるので、それがすごいうれしいんですね。僕も、普段音楽の現場で(そうなので)。やっぱり、モノを作る現場って良いなって思います。だから、石原さんがもも役で本当に楽しみだし、うれしいなと思います。……いいですか? これで。
会場:(爆笑)
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)