「未来のミライ」黒木華『自分と重ねて考えられるのも作品の魅力』

2018/07/16 09:00 配信

映画 インタビュー

「くんちゃんが家族の歴史を遡っていくシーンは印象的でドラマティック」撮影=横山マサト


――この映画では、くんちゃんのお兄ちゃんとしての意識を芽生えさせる不思議な旅が描かれます。その中で、くんちゃんが幼いころの母親と出会い、実はすごく似た者同士だったとわかるエピソードが出てきますが、黒木さん自身、そういう思いをしたことは?

父親からは、母親と足が似ていると言われますね(笑)。でも、私が母と似ていると思うのは怒り方かな。うちの母親は怒っていてもあまり感情的にならず、その理由を理路整然と話すんです。私は母親ほど頭が良くないので(笑)、怒ると口数が減りますね。何に怒っているかは分かりにくいかもしれないですけど、弟とケンカしたときなどは母親と同じ言い方になっているなと自分で思うことがあります(笑)。

――「未来のミライ」の大きなテーマとなっている家族の絆。くんちゃんが旅する家族の過去から未来の物語を通して、黒木さん自身が思うところは?

ファミリーツリーじゃないですけど、くんちゃんが家族の歴史を遡っていくシーンは印象的でした。とてもドラマティックだし、私も含めて誰しも共感できるものなのではないかなと。私自身、両親はもちろんですけど、その両親を生んでくれたおばあちゃん、おじいちゃん、そのまた先のご先祖様がいたからこそ、今の自分がいるんだとあらためて思いました。都会の片隅に住む一家族の小さな話なのに、ここまで大きく、深遠なところまで広がっていく物語に仕上がったのは、細田監督だからこそだと思います。

――では、最後に黒木さんにとって、今見えている未来とは?

漠然としてますけど、よく言っているのは、かわいいおばあちゃんになれたらいいなと(笑)。今の自分の28歳という年齢はすごく中途半端な気がしていて。とはいえ、年齢を重ねることは怖くもあり楽しみなところありますね。仕事もそうですけど、プライベートでも家族を築いたり、変化を楽しみながら充実していけたらいいなと思います。