東京・下北沢での公演を重ねるごとに人気を獲得している劇団「艶∞ポリス(ツヤポリス)」。7月18日(水)~25日(水)に新作公演「顔!!!」が下北沢・駅前劇場で上演される。
同劇団は、2013年に旗揚げし、今作が第九回公演。新作公演は「顔」をテーマに、男女の価値観の違いを描き出す。今回は、劇中音楽として、R-1グランプリのテーマに「ロックンロールキャバレー」が使用されるなど、話題のエンタメ系ブラスロックバンド「カルメラ」の西崎ゴウシが参加。女性特有の視点でコンプレックスを描く「艶∞ポリス」作品に新たな彩りが加わる。
本公演の脚本・演出を務め、自らも出演する岸本鮎佳は、7月スタートのドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」(関西テレビ・フジテレビ系)で本編脚本と、放映直後に配信されるチェインストーリーの脚本を手掛けている。注目度が急上昇中の脚本家・岸本に新作公演の見どころを聞いた。
――改めて簡単に自己紹介と、劇団の紹介をお願いします!
「艶∞ポリス(つやぽりす)」という劇団の主宰で、脚本、演出をしている岸本鮎佳です。
「艶∞ポリス」という劇団は、”人があえて口に出さないけど、心の底で感じている面白さ”を、会話劇で魅せる作風が特徴だと思ってます。
――今公演を作り上げていく中で一番苦労した瞬間は?
今回一番悩んだのは“舞台となる場所、設定”です。
お寺、空港、葬儀斎場、アパレル、デパ地下、学校…など、今までいろんな設定でやって来ました。いつも自分がワクワクするような場所がいいと思ってるのですが、もう結構やっちゃったので(笑)、なかなか思い浮かばず苦戦しました。
執筆に関しては、テーマが難しいだけに、しっかりプロットを作り込まないといけないので、プロットにとにかく時間がかかりました。
――今回の舞台に、キャッチフレーズをつけるなら?
『絶対に目をそらしてはならない女の生きざま』です。
「男尊女卑」という言葉があると思いますが、そんな昔の言葉で表現できないほど、今の社会において男と女の関係は複雑で、特別なルールがあるように感じます。
今の世の中、たくさんの女性が活躍しているけど、そこに至るまでの苦労はたぶん男性とは違って、どうしても「女」というフィルターがかかってしまっていると思うんです。
彼女たちはそれを分かってるし「仕方ないことだ」と流すしかない。女性なら誰でも経験したことある、“あの想い”を抱えながら生きていく強い女を描いてます。
――脚本を執筆する際に、特に意識していることは?
“キャラクター”ですね。
今回は初めましての方が多かったので、稽古が始まる前にワークショップのようなものをやって、役者さんそれぞれのキャラクターを見定めました。
その人の性格、癖、芝居の仕方…などを見て、その人の面白いところを引き出してあげることで、芝居がよりリアルになるんです。だから、とにかくキャラクターの描写はかなり細かいです。
本編には描かれてないバックボーンも、役者さんに役柄表を渡して細かく役作りしてもらいます。キャラクターさえ決まれば、それだけで「面白くなることは確実だ」と思っているくらい、とにかくキャラクターには時間をかけていますね。
――実際に、男女それぞれの「顔」への意識の違いをどう表現したのでしょうか。
それは…ぜひ作品を観てください!
――そうですね(笑)、どう描き分けているのか楽しみです。観劇したあとはどんな気持ちになる作品ですか?
「ゾッとする喜劇」と言っているように、観終わったあと、「怖! でも、スッキリしたぁー!!」って思ってもらえたら、うれしいですね。
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