戸田恵梨香「『コード・ブルー』1st、2ndは緋山も私もトゲがあったのかなぁ(笑)」

2018/07/18 11:00 配信

映画

【写真を見る】“トゲ”が“強さ”に。緋山美帆子演じる戸田恵梨香が映画化でこだわったのは?撮影=山田大輔


映画でも5人が一つであるっていうことを見せたい


――ストレートにものを言う緋山先生でしたが、3rdシーズンでは客観的に物事を見て思いを伝えるという変化もあったように感じます。そんな緋山先生に白石先生が「どうやったらああいうふうに言えるの」「やっと言えてもなかなか相手の心に届かない」と言う、印象的なセリフもありましたが、緋山を演じて戸田さん自身が、白石のように感じられたことはありますか?

緋山は、言葉の強さと思いというのが一緒だと思うんです。2ndシーズンの時に、緋山が脳死判断した子がその後心停止で亡くなって、母親に同意書を書いてもらわなかったことで「おまえが殺した」って言われたことがあって。その亡くなった子の母親とは信頼関係を築けていると思っていて、でも心で交わしていたと思っていても世の中では成立しないことがあるんだって思い知ったときに、緋山は人と関わる難しさというものを強く感じたと思うんです。伝えるということも怖くなっただろうし、人自体が怖く感じたとも思う。

その苦悩を越えてきた緋山が、患者さんに対しての距離感とか思いを伝えるときに、どう演じるのかというのは私自身も悩んだところでした。それまでは、一生懸命に自分の思いを伝えなくちゃいけない、伝えるんだ!というのが、一番出ていたのが緋山だったけど、自分の弱さもちゃんと受け入れられるようになって、認められるようになったから、ストレートに伝えずに、客観視した言葉も言えるようになったし、その患者さんの心を支えてあげられるような優しい言葉も言えるようになったんだと思います。

心の変化と同時に、言葉も表情も変化を遂げることが出来たので、思いを伝える言葉っていうものに対しては自分の中でしっくりとくるところを見つけられたのかなと感じましたね。

――この10年で、それぞれが成長し、いろんな思いを持っての映画化となったと思うのですが、5人一致してやりたいと思ったことはありましたか?

“5人でありたい”ってことかな。キャストも増えたことによって、それぞれができることも増えたしもちろん成長もして、それぞれのパートというものがちゃんと描かれてきたとは思うのですが、でも最終的にはやっぱり5人が一つであるっていうことを見せたいと思ったし、そうである5人であってほしいっていうのはあったので、みんなそこに向けて挑んだ作品でした。