凶暴な服部半蔵を演じる 勝也「いい意味で、ゾッとさせたい」【舞台「NINJA ZONE」特集】

2018/08/30 21:08 配信

芸能一般

勝也


2018年9月5日より、東京・品川で上演される舞台『NINJA ZONE』。映画監督、プロデューサー、スタントマンとしてワールドワイドに活躍する坂本浩一が生み出した、まったく新しいエンターテイメント作品だ。今作は総監督を務める坂本浩一が長い海外生活から得た“外国人が見たい日本アクション演劇”を形にした作品で、忍者、サムライ、アクション、殺陣、ダンス、ロック、アイドルなど、さまざまな要素を圧倒的なスピード感で見せる。

物語の舞台は、未来でも過去でもない架空の街「華舞綺TOWN(カブキタウン)」。犯罪者たちが棲みつき、治安という概念が崩壊した治外法権エリアで、唯一、人々が安らげる場所は「竜宮館〈DRAGON INN〉」だけだった。しかし、街を仕切る2代目秀忠率いる強大な悪の組織「徳川組」が支配をより深めるために”伊賀流YAKUZA-NINJA六人衆BURAIKANN”を招集し、竜宮館の排除に動き出す。だが、竜宮館〈DRAGON INN〉で活躍する5人組のパフォーマンスグループ“BLASTING GIRLS”は実は甲賀流のくノ一で、秀忠の“BURAIKANN”たちと激しくぶつかり合うのだった。

秀忠のしもべとなる”伊賀流YAKUZA-NINJA六人衆BURAIKANN”を仕切るのは、服部半蔵。この半蔵を、ドラマ「仮面ライダーアマゾンズ」シリーズや「NHK大河ドラマ 風林火山」、「GANTZ」に出演する勝也が冷淡に体現していく。

勝也(写真・全21枚)


―『NINJA ZONE』について、最初に聞いたときの印象は?

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いい意味で「わけ分かんないな」と思いました(笑)。主人公の桜を演じる宮原華音から忍者ものだとは聞いて、僕、忍者もサムライも好きなので面白そうだなと思ったのですが、そこにYAKUZAが絡んでくるという。でも、NINJAとYAKUZAをくっつける独特の世界観が純粋に面白いなと思いました。

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――その世界観の中で勝也さんが演じるのは服部半蔵ですが、これまで描かれてきた服部半蔵とは少し趣が違いますよね。

凶暴なんです。しかも内に秘めた凶暴さも持っている人なので、難しい。含みがとても多いキャラクターなんです。

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――半蔵は伊賀の忍者として、八神蓮さん演じる徳川秀忠に仕えていますが、純粋な部下という感じではないんですよね?

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セリフに「信じるのは自分だけ」というのがあるんですけど、半蔵の中にあるのは“伊賀の生き残りのため”という気持ちだけだと思うんです。だから、秀忠をコントロールしているし、下の者たちもうまく使っている。伊賀を守るためだったら手段を選ばない、表面的には見えない怖さも持ったキャラクターで、シーン冒頭から登場するので、いい意味でゾッとする怖さのある半蔵にできたらと思っています。

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――キャストの中では、年長者として皆さんを引っ張っていく感じですか?

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年齢的には上ですが、年長者っぽいのは顔だけでちょっとフタを開けるとおどおどしてるんです(笑)。今回は昔から知っている剛鬼役の朝比奈(寛)などもいるので、いい関係性をつくっていけたらいいなと思いつつ、半蔵は自分しか信じていない人間なので適度な距離は保ちたいと思っています。本当に人を信じない孤独な人間なので、稽古中に一度孤島にでも行ってこようかな(笑)。

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――「仮面ライダーアマゾンズ」で一緒にやって来た朝比奈さんたちと再共演になりますね。

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朝比奈はもちろん、宮原華音も俊藤(光利)さんも「仮面ライダー」で3年間一緒にやってきたメンバーが、違う作品のカンパニーでこうして一緒にいるのはすごい不思議で、でも同時にすごくうれしいです。これまで培ってきた作品上での関係性をいい意味でぶっ壊していけたらと思っています。プライベートではどうせ一生仲良しなので(笑)。

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――ほかのキャストさんはいかがですか?

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半蔵を演じるという意味では、秀忠役の八神(蓮)さんが気になりますね。仕えつつ、コントロールしている存在になるので。それから竹千代役の榎本遥菜ちゃん! 素直でとても可愛らしい子です。楽しくなってくるとどんどん発言してくるので、面白いなって。

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ーーアクションは、時代物から「仮面ライダー」まで経験されていますが、忍者ものはまたひと味違うのでしょうか?

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違うと思いますね。忍者の経験は一度あるのですが、その時はものすごく大きい剣を持っていたんです。ですから、今回のようにスマートなアクションは初めてなので、どんな感じになるのか? でも、もともと体操をしていて、クルクル回れたりするので、どこかで使えたらいいなと思っています。

勝也(写真・全21枚)


――この衣装はアクションが映えそうですよね。

今日初めて着たんですが、革なので硬い!でも、かっこいい! 派手に動くと映える衣装だと思いますが、動いたときにどうなるかまだ未知なので、稽古をしながら確かめたいと思います。

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――アクションだけでなく、ストーリー面でも秀忠との関係、伊賀と甲賀の対立など、要素の多い作品ですが、勝也さん的にどんなところが見どころだと思いますか?

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半蔵は見る人にとっては完全に悪だと思いますが、半蔵には半蔵の譲れないポリシーがあるので、そこを見ていただきたいです。全体としてはエンターテイメント性も高いですし、これから世界に発信していこうとしている作品の先駆けとなるので、その可能性も感じていただけたらと思います。とはいえ、アクションや歌、ダンスなど派手な要素がありますが、僕はこの作品でも“芝居”がやりたいと思っているので、人間模様を一番に見てもらいたいです。八神さんも俊藤さんもお芝居に味がある方たちなので、ストレートプレーの部分を。そういった部分を担う演出の石山英憲さんも熱い方だと思うので、一緒にしっかりとした人間模様を作っていけたらと思っています。