続いて印象に残った人物に挙げたのは「あけぼの」のレーダー開発部の技術者たちと彼らを率いる中尾部長(菅原大吉)。
未来に向かっている姿勢を貫く、中尾部長を演じた菅原に魅力的に見えたという。
「寝る間も惜しんで会社のために技術を磨き、病気に倒れた後もなお、諦めずに会社のことを思う現場の人々の”力”を強く感じました。
会議室でフカフカの椅子に座りながらではなく、現場で従業員をしっかり見つめている、そんなリーダーの姿に、確かな”未来”があると鷲津を通して思ったんです。菅原さんが演じられた中尾部長によってそれを痛切に感じさせられました」
新見会長(竜雷太)との共演シーンについても振り返った。
たった一度しかない、新見会長との相対する場面。
鷲津は、一度だけの顔合わせでバブル期以前から崩壊後、そして現在まで大企業とその社員たち、家族を背負ってきた偉大な経営者の佇まいを強く感じていた。
第2部のラストシーンで鷲津が深く一礼するのは視聴者だけでなく、綾野も衝撃的だった。
「激動の時代を必死に戦い抜いてきたひとりの人への礼節として、深く頭を下げました。あれだけ深く礼をするのは、このドラマの中であのシーンが初めてだったように思います。役職を言わず”新見さん”と呼んだ事にも、鷲津なりの新見元会長に対する人間的姿勢。それだけの敬意を持って対面したのではないでしょうか」と語った。
しかしその後は、新見会長を一瞥することもなくまっすぐ前を見据えて歩き去っていくという姿勢に、鷲津の「まだまだ自分にはやるべきことがある」という強い意思が表れていた。
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