祐太郎の“なりすまし調査”は、毎回の見どころの一つだ。祐太郎は、全く構えたところのない風貌で、朗らかな人柄だけを武器に相手の懐に入り込んでいく。
そんな祐太郎のビジュアルについて、原作では特に指定はない。映像化するに当たり、ドラマオリジナルで祐太郎ならではの人懐こさを演出する工夫が施された。
まずは、顔。祐太郎にはそばかすがあるが、これはメークで描かれたものだ。常廣監督は「毎回ウソをついて、相手の懐に入っていく。その時に、なるべく警戒させないためにはどうすればいいか、と考えました。例えばそばかすなんかがあった方が、壁が低くなるんじゃないかと。これはメイクの酒井啓介さんの発案です。
やってみたらすごく似合うし、いい人に見えるんですね。ご本人も気に入ってくださっているし、仕上がりも本物にしか見えなくて『菅田くんってメイクを落とすとそばかすがあるんだ』って言っている人もいるくらいです。“その辺のお兄ちゃん”然とした育ち感が出てきて、そばかすはすごく良かったですね」と明かす。
衣装にも、壁を作らない祐太郎らしさが凝らされている。衣装を担当する本田博仁氏はこう話す。「死亡確認を取るということは、依頼者のテリトリーに入っていくことです。
怪しまれないような恰好で行くのが普通だけれど、祐太郎の場合は前もって考えるのではなく、その場で機転を利かせて乗り越えていくような性格の持ち主。なので、洋服も“その場の感覚で着ちゃっている”という感覚でリンクさせていこうと」
そんな方針で、猫のように人懐こいドラマ版「dele」の祐太郎は出来上がっていった。
ちなみに、そんな祐太郎が持つiPhone5は、飼い猫・タマさんの写真でいっぱいだ。猫好きな一面も、相手の懐にするりと入っていく祐太郎のイメージづくりに一役買っている。
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