――マニアックな番組という触れ込みで始まり、賞をもらい深夜からゴールデンに移動して、という反応について、意外なのか、当然と思うのかお聞かせください。
マキタ:僕は意外でしたね。最初は…いいのかなぁっていう思いと、せっかく頂いた時間と企画で、一生懸命楽しくしゃべって伝えることはできたという思いはありましたけど、まさか賞なんてね。
スージー:立派な賞ですし。
マキタ:取れるなんて思ってないしね。でも、毎回ネットの反応を見ていたら、常連さんが増えている感じがしたんだよね。今となっては、なるほど、それも当然かと受け止めていますけど、初めの頃は自信なんてなかったですね。
スージー:語っている内容はマニアックだけど、曲はヒット曲を選ぼうと思ってるんですよ。やや批判めいた話になるんですけど、マニアックな選曲をすることで、俺はこんなん知ってるけど、おまえ知らないだろっていうのが簡単ですけど、ヒット曲があって誰もが知る曲に関して説明する方向っていうのはあまり行われていない。
紹介する曲はヒット曲なので、マニアックな方以外も「あぁ、こういう曲あったな」と楽しめるという二段階構造。マニアックな曲を紹介して悦に入ることはしていない。それが良かったのかもしれない。
――コード進行を解説したり、歌詞を分析したり、難しい内容もありますが。
スージー:それをユーミンでやるってことが大事ですよね。ユーミンの昔の曲を若者がどれぐらい知っているのか分かりませんけど、われわれ的にはねやっぱり…。
マキタ:今当たり前なものが当たり前じゃなかった時代があって、それをアップデートした人がいたわけですよね。
ユーミン、桑田佳祐さんもそうだけど、偉大な仕事をした人たちが国民の前提になり過ぎたことによって、象徴化されて語られても全然違うんですよね。
この番組に関してはあえて異質的なこととか、ちょっとマニアックだけど音楽的なこととか伝えたい。
例えば「中央フリーウェイ」のこの部分がみんな好きじゃん? “ここなんだよ”っていうポイントはマニアックに伝えておいたほうがいい。
スージー:コード進行とか、なかなか伝わりづらくてですね、専門的にならざるを得ないんですけど。こんな構造、こんな理由があるんだよ、っていうのをなんとなく知ったらこっちのが面白いでしょ?という。
転調の構造が分からなくても、音楽の楽しみ方が増えるということに期待してしゃべっていきます。ドラマティックマイナー、カノン進行、クリシェ…。
――最後に、視聴者に向けて言葉を頂けますでしょうか?
スージー:金曜の深夜からゴールデンに進出しますが、方針は変えずに、むしろさらに方針を強化して、濃度を増してやろうと思いますんで。ご興味あれば、20万人の次の一人になってみませんか? よろしくお願いします。
マキタ:80年代の音楽ってそれ以前の時代状況も、マーケットも全然違ったはずですけども現代にも絶対通じる普遍的な変わらぬ良いものがある。それをピックアップして紹介していきたいなと思います。
現代性、普遍性というものをちゃんと伝えていきたい。ということがこの番組の一番の柱ですので。そういうものを好きな方は見て、感じてください。いろいろ口コミで伝えてくれたらなと。
そのうち、われわれが出張して会いに行くということをたくらんでいけたら…。全国にカセットテープの輪を広げて、カセットテープフリーメイソンたちを…(笑)。
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