浦井健治と長澤まさみが“回るメタル”を締めくくる!「“必死感”は誰にも負けない」<メタマク連載>

2018/10/26 12:30 配信

芸能一般 インタビュー

ランダムスター夫妻は2人とも弱くて小さな人間


disc3でランダムスター/マクベス浦井を演じる浦井健治


――演じる上で大切にしている部分はありますか?

長澤:ランダムスター夫妻は2人とも弱くて小さな人間だということかな。

それを前提として物語が広がっていくので、その軸がぶれてしまうと内容が薄い話になってしまう。

ランダムスター夫妻の“人間らしさ”というのはその部分にあると感じています。

浦井:いのうえさんはこれまでに初演、disc1、disc2を経て、稽古をすでに4回もしている。

だからかは分かりませんが、稽古の初めにやるのは物語の核となるシーンになることが多い気がするんです。

大切な場面を稽古の最初にやっていくという考えなのかなと。

そのため稽古の序盤で汗だくになってしまうことが多いのですが、終えてから「そうか、そういうことなんだ」と気付くことも多いです。

さらに、じゅんさんが “シェイクスピアのマクベスとは”ということや“人間関係をきちんと表現することが、結果的に笑いにつながるかもしれない”と教えてくれる。

誰よりも笑いを取るじゅんさんであり、今回で「メタルマクベス」の出演が3度目のエキスパートでもあるじゅんさんのアドバイスはありがたいです。

出演経験がある方も多いのでそのスピード感に付いていくのに必死だし、やることも多くテンパってしまうこともありますが、それを役にきちんと還元していけたらと思っています。

先日、いのうえさんに「健治には芝居のくせがあるけど、どんとかっこつけて言ってもお前の気弱さとか情けなさはにじみ出るから大丈夫」と言われたんですよね。

愛情を感じたというか、見てくださっているんだなと思いました。

――劇団☆新感線では、3回以上客演すると準劇団員になるそうですが、浦井さんは今回の公演で晴れて準劇団員の仲間入りを果たしましたね。

浦井:ありがとうございます。

(劇団☆新感線プロデューサーの)細川展裕さんからは「ぞんざいな扱いになるぞ」って言われています(笑)。

長澤:そうなんだ(笑)。

――今回の公演では、新感線の舞台で過去に2度務めたシャルル役では少なかった殺陣シーンも多くありますね。

浦井:殺陣はdisc1、2とも違って、僕のランダムスターは二刀流です。「これまでとは全部変えていこう!」といういのうえさんのスピリットなんでしょうね。

さっきも言ったように、いのうえさんもじゅんさんもシャルルの時とは僕への対峙(たいじ)の仕方が全く違う。

それを受け止めた上で、笑顔でアドバイスをたくさんくれる先輩方がいて、さらに高杉真宙くんをはじめとした初参加の方たちもキラキラしながら取り組んでいて…。

本当にさまざまな色が飛び交っているので、客観的に見ていてもやっぱり新感線は面白いし、この作品は面白いと思います。

――かたや長澤さんは劇団☆新感線に初出演ですが、実際にいのうえさんの演出を受けてみていかがでしょうか?

長澤:音とリズムにとても厳しい方だなって思いました。

新感線の舞台はせりふは歌詞のように、動きは踊りのようにみたいな印象があって…。

いのうえさんの中にはすでに型があるので、求められるものも決まっているんです。

そこに到達するまですごく時間がかかってしまうので大変ではあるのですが、それも楽しんでやっています。