――では、倉科さんからも読者へメッセージをお願いします。
倉科:私的な部分があり申し訳ないのですが、この映画に出演させていただいて、私自身が見終わった後にやっぱり救われた部分があったんです。どこかに引っ掛かっていたようなしこりがスッと取れていくような。
この「あいあい傘」という映画は、本当に“父に会いに行く”というだけのストーリーなんですけど、愛がテーマであって、それは性別は問わず、年齢も問わず、はたまた国境も越えて、ハートにダイレクトにくるものです。だからこそ、たくさんの方に見ていただきたいと思うんです。
私もそうだけど、日々忘れていくのが人間だから。さっきまで言いたいことがあったんですけどもう忘れているし(笑)、本当に大切な存在だったりとか、物などもすぐに忘れちゃうんですよ。
だからこそ、すごくキラキラ映画ではないけど、若い人でも一度歩みを止めてみて、周りを見てみるというのも、すごく人生の中で価値のあることじゃないかなって思うんです。もっともっとこういう映画が増えればいいなって思いますし、この映画が大切な人、大切な物って何だったのかな?って、ちょっと振り返るきっかけになればいいなって思います。
――倉科さんにとって特別な作品となりますね。
倉科:私はこれまでの人生がそんな楽なものではなかったから、家族のこともそうだし、芸能界に入っても。でも、この作品は29歳のときに撮ったんですけど、29年間を認められたというか、「頑張って良かったね」って言ってもらえたような気がします。だって、その経験をしていなかったら、この役はこんなふうにたぶんできなかったし、巡り合ってもスルーをしていたかもしれない。人生って面白いですね。
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