――クジラとの撮影は大変そうですね。
矢野:ずっと撮影で接していましたが、クジラたちは普段以上に技をやったり動いてくれたりしていたので、いろいろな面でクジラたちが心配でしたね。僕ら以外でも、監督やスタッフさんも心配をしていたし、だからこそ早く撮らなきゃとか考えてやっていました。
でも、クジラが疲れてきたり、お腹いっぱいになったりすると、こちらの言うことを聞かなくなっちゃうんですよね。いろんな所に遊びに行っちゃうんです。
武田:一回、一頭のクジラの機嫌が良くなくて暴走しちゃったことがあったんです。クジラって団体で行動する生き物なので、私が担当していたクジラも一緒に付いていっちゃったんですね。
対生き物だったので、そこはクジラだけに頼っては駄目だなって思いました。すごく疲れているだろうし、不慣れなことをこの撮影期間中にやってもらっていたので、自分もクジラに頼らずにもっと頑張らなきゃなって思いました。
――撮影でクジラと触れ合ったことで、印象が変わったのでは?
矢野:元からそれほどクジラの予備知識がなかったので、一つ一つがそれこそ新しい発見ばかりでした。全部がそうですね。
例えば、クジラもそれぞれに好きな食べ物などがありますし、癖が違ったりとか、種類もいろいろいるし、得意な技や不得意な技もいろいろある。そういうのは、僕らがこの作品に関わらないと分からないことだったので、この役をやらせていただいて良かったです。
今後またショーを見る時などは、これまでと違った見方になるんだろうなって思います。
――では、最後に読者へメッセージをお願いします。
岡本:私は和歌山出身で、いつか和歌山に関連した映画に出たいという思いがありました。クジラという和歌山の中でもナイーブというか、いろんな歴史がある部分に深く入り込んだ作品を作ったことが、すごい勇気だなって思います。
これだけの温かい作品に仕上げていただいたこともうれしくて、和歌山の自然の素晴らしさ、空気の温かさ、人柄、歴史、文化、全部引っくるめて、いろんな人に伝えることができる作品が完成したことが、県民としてうれしいです。
ちょっとでも気になる方には見ていただきたいですし、和歌山にも来ていただきたいですね。きっと見たら和歌山に行きたくなるような作品になっていると思います。
武田:今の時代はSNSだったり、いろんな形で伝えることができると思うんですけど、この作品はそういうものではなく、生き物だったり、人間だったり、ちゃんと何かとぶつかって、葛藤して成長していくというお話なので、こういうふうにアナログで伝えることはすてきだなって思います。
生き物や自然に感謝することってなかなかできない世の中になってきているので、そういう意味でも今の時代に見てほしい作品です。いろんな歴史や文化がこめられている作品なので、特に若い方に、ぜひ見ていただきたいです。
矢野:この作品にかけるみんなの熱い気持ち、自然やクジラなど和歌山特有のことなど、たくさん詰まっています。
僕が「こういう映画です」って決めつけるよりは、見ていただく方にいろんなふうに感じていただきたいなって思いますし、それによって和歌山県に来てみたいと思ってくれてもいいし、クジラのショーを見たいと思ってもいい。大きな夢を持ちたいとか、夢を持っている人を応援したいとか、この映画を見て、いろいろなことを思ってほしいなって思います。いろんな方に見ていただきたいです。
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