「最近の日本映画はつまらない」とお嘆きの貴方へ…伝説の映画会社「ATG」の名作群のBD&DVDがお値打ち価格で登場!

2018/12/11 12:00 配信

映画

日本映画史に多大な影響を与えた伝説的映画会社・ATG(日本アート・シアター・ギルド)の作品の数々が、廉価版のBD / DVDとなって再登場

1960年代に発足し、これまでの日本映画の常識を覆す個性豊かな傑作の数々を世に送り出した伝説の映画会社「日本アート・シアター・ギルド(ATG)」。今なお熱烈なファンを擁するそのフィルモグラフィーの中から、DVD37作品、Blu-ray14作品が、廉価版(DVD=税別1900円、Blu-ray=税別2500円)となって、2019年2月13日(水)に発売されることが決定した。

日本の映画産業が下降線をたどりつつある1961年に設立されたATGは、フランスのヌーヴェルヴァーグ、イタリアのネオレアリズモ、アメリカのニューシネマといった世界的な映画の潮流を背景に、他の映画会社とは一線を画す非商業主義的な芸術作品を製作・配給した。その作風は、前衛的な芸術作品や野心的な青春映画を中心に、不穏さや陰鬱さに満ちたもの、性や愛を過激に描いた作品も数多く、当時の若者たちから絶大な支持を受けた。また森田芳光井筒和幸大森一樹ら気鋭の若手監督も積極的に起用し、日本映画史に多大な影響を与えた、まさに伝説的な映画会社だ。

今回のリリースでは、ATGの膨大な作品群の中から、時代を象徴する作品からカルトな作品まで、多種多様な名作がずらり。時代を彩った作品としては、松田優作を主演に森田芳光監督が受験戦争をシニカルに描いた「家族ゲーム」(1983年)、「日本のいちばん長い日」(1967年)などの巨匠・岡本喜八監督が自身の代表作と称する「肉弾」(1968年)、寺山修司が脚本を手掛け永島敏行が不良少年を演じ、その年の映画賞を総なめにした青春映画「サード」(1978年)、原田芳雄主演で坂本龍馬の最期の3日間を描き、新しい龍馬像を生み出した青春時代劇「竜馬暗殺」(1974年)など。

そしてカルト映画からは、鬼才・若松孝二監督が「愛のコリーダ」(1976年)の松田英子を主演に官能の世界を描いた「聖母観音大菩薩」(1977年)、坂口安吾の推理小説を原作に曽根中生監督が手掛けたミステリー「不連続殺人事件」(1977年)、原発建設をめぐる陰謀と復讐の鬼と化した若い海女を描いたバイオレンス・アクション「人魚伝説」(1984年)などがラインナップ。

そのほか、実相寺昭雄監督の「曼陀羅」(1971年)や、桃井かおりの本格的映画デビュー作「あらかじめ失われた恋人たちよ」(1971年)、寺山修司監督の「田園に死す」(1974年)、長谷川和彦監督の「青春の殺人者」(1976年)、大森一樹監督「ヒポクラテスたち」(1980年)、井筒和幸監督「ガキ帝国」(1981年)、根岸吉太郎監督「遠雷」(1981年)、大林宣彦監督「廃市」(1984年)なども廉価版が再リリースされる。

激動の時代を駆け抜けた映画会社・ATGの作品群の中から厳選した傑作のパッケージ化は、日本映画の歴史においても極めて貴重な機会。リアルタイムで見続けてきた映画マニアから、最近日本映画に興味を持ち始めた若い世代まで、全ての日本映画ファンは必見だ。