古舘伊知郎、実況を務めた坂本龍馬特番は「龍馬の“心の部屋”に注目して」

2019/01/05 05:00 配信

バラエティー インタビュー


――「寺田屋襲撃」のシーンは、1カメでのノーカット長回し撮影だったそうですね。

古舘「大変だったけど面白かったです。でも私なんかより、やっぱり役者さんのほうが大変だったと思いますよ。寺田屋に龍馬と一緒に滞在して、徹底的に龍馬をサポートする三吉慎蔵を濱津隆之さん(映画『カメラを止めるな!』主演)が演じているんですが、龍馬と慎蔵の血みどろの逃走劇を、大さんと濱津さんが見事に演じていて。

龍馬は、襲撃の際に指に深い傷を負うんですが、意識がもうろうとする中、500メートルくらいの距離を必死に逃げるんです。もう、よれよれの状態で身を隠しながら、そこからまた走ったり止まったり。これを演じるのは本当に大変なんですよ。しかも撮影は1回で済むわけじゃない。私ももう若くないから、へとへとになっちゃってね。『(撮影用の)サイドカーに乗せてくれ』って頼んだくらいですから(笑)」

それでもやっぱり完璧にできるわけじゃない。正直、みんなが納得できるような出来にはならない部分もあったんですが、1カメで大変な撮影を『もう1回!』とはなかなか言いにくいでしょ? それを、大さんが『もう1回やりたい!』と言ってくれて。そこからみんな一致団結したんです。この寺田屋襲撃のシーンの撮影は、私のしゃべり手人生の中でも、忘れ得ぬ思い出になりました」

――橋本マナミさん演じるおりょうの入浴シーンも、見どころの一つですよね。

古舘「橋本マナミの妖艶な演技と表情というものを、いろんな角度から何度も撮ってましたよ。私のシーンなんか、すぐ『はい、OK!』って終わっちゃうのに(笑)。それくらいこだわってましたね。橋本さんは、とても気を遣ってくださる方で、『(お風呂に)一緒に入りますか?』なんて言ってきてくれて。あれは一生の思い出です(笑)。 おりょうが、なぜ午前3時にお風呂に入っていたのかとか、断片的には分かっていた史実が、今回で全てつながりました。そんな風に、歴史の謎が解明されていくところにも注目してほしいですね」