全国大会編が始まったアニメ「火ノ丸相撲」に、デーモン閣下がゲスト声優で出演する。
デーモン閣下が演じる蟹江医師が登場するのは、2月1日(金)放送の第十七番。果たしてデーモン閣下は蟹江医師をどんなアプローチで演じたのか? 潮火ノ丸役の阿部敦と一緒に、アフレコを終えての感想を伺った。
さらに、好角家であるデーモン閣下には、これから始まる大相撲三月場所注目の関取についても聞いてみた。
――まず、デーモン閣下が演じられた蟹江医師がどういうキャラクターなのかから教えてください。
デーモン閣下(以下、閣下):蟹江は凄腕と噂の医者で、火ノ丸は左腕の治療をするためにそこへ出向くんだが、これがまた偏屈な男で、そう簡単に診てくれないわけだ。自分は忙しいし、楽しいことをしていたいからそんな暇はないぐらいのことを言って、おまけにお前なんか体が小っちゃくて大成するわけがないなんてことも言っていて。
ところがだ。火ノ丸の相撲への真剣な姿勢が伝わるとそれまでのチャラチャラした発言が消えて、「治してやる」と態度を一変させる。そういう偏屈な爺さんなんだが…、今吾輩、半分、ストーリーを言っているな(笑)。
――偏屈はともかく、そういう台詞はどう思いましたか? 普段の閣下にはない喋りですよね。
閣下:いや、これが意外とするのだ(笑)。確かにテレビではあまりそういう喋りはしないけど、ラジオやステージではまあまあしているんだな。だから、蟹江医師の喋りは嫌いではなかったし、むしろどれだけチャラくするかは楽しみにしていたところだったね。どこまでだったら許容範囲なのかと、監督の様子を探りながら上げていった感じだったかな。
――芝居ではどういうところを意識しましたか?
閣下:今までにもアフレコの経験はあるけれど、それまでのほとんどは自分の役か、悪魔の役だったのだ。だけど、今回は珍しく普通の役…そんなに普通じゃないが(笑)、人間の役ということで、世の中一般の人が想像する『デーモン閣下節』である必要はないな、と。そういうところで、どこまで面白い芝居ができるかがチャレンジポイントであったかな。
――阿部さんは閣下の芝居をご覧になってどういう感想を持たれましたか?
阿部:我々声優とは違う芝居へのアプローチだったんですよね。多分、我々がやろうと思ってもできない。そんな感じからのアプローチで、すごく面白くて、柴木山親方役の郷田ほづみさんもすごく面白いねっておっしゃっていたんですよ。
閣下:へえ。どんなポイントなんだろう?
阿部:我々はちゃんと話そうとするんですよ。
閣下:そうか、ちゃんと話せてなかったのか(笑)。
阿部:いやいやいや、違います! 声優は伝えようとする喋り方になってしまうんですよ。はっきりと、大仰にしてしまうというか。閣下の演技はそういうのではない、感覚の違いなので伝えるのが難しいんですが、どちらかというと生のお芝居に近いアプローチだったと思うんです。
閣下:それは面白い意見だな。『ダメ出し』ではない言葉として受け取っておくかな(笑)。
――共演者と一緒にアフレコをするのは初めてだったということですが、緊張はされましたか?
閣下:緊張というのはないけど、段取りの把握にちょっと時間がかかったところはある。出番ごとに順番に喋っていくじゃないか。その流れを崩したくなかったんだけど、台詞が混み入ってくると追いかけるのが難しくなるんだ。台詞がページをまたがっていると台本をめくる作業で止まったり。
一度、まだ続きがあることに気付かず、次の人に行ってしまったこともあってな(苦笑)。後で阿部くんに、「ここのセリフを飛ばされていますよ」って教えてもらった。なにかあった時は阿部くんがすぐに察知してくれて教えてくれるというね。とても親切な主役であった。
阿部:ありがとうございます(笑)。
――阿部さんは閣下と共演されてどんなお気持ちでしたか?
阿部:僕、閣下のCD(教典)を持っているんですよ。「満月の夜」とか。
閣下:え、小教典の? 自分で買ったの?
阿部:そうなんですよ、小学生の時に買って。その頃テレビで観ていた方と一緒にアフレコをできるんだと思って、声優やってて良かったなあ、この作品に出られて良かったなって思いながら横に立ってました。ジャンプ作品で、なおかつ主役というのは男性声優からすると一度はやってみたい憧れの役で、二重に嬉しかったですね。
閣下:それはこちらも嬉しいね。ジャンプ作品の主役って初めてなの?
阿部:いえ、2回目です。でも、以前は「バクマン。」(真城最高役)だったので、こういうジャンプらしい、ザ・対決という熱血スポーツものではなかったんですよ。だから、なおさら嬉しかったという。閣下との掛け合いも楽しかったです。
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