<試写室>「イノセンス 冤罪弁護士」“人の心”を描くリーガルドラマ

2019/01/19 07:30 配信

ドラマ

【写真を見る】法廷で刑事のある発言にカッとなってしまった重雄(吉田栄作)に拓(坂口健太郎)は…(C)NTV


心を描く物語に胸アツ&拓のギャップがたまらない


まず、筆者は警察&検察の論争もの、病院もののドラマが苦手です。なぜなら、耳で聞いているだけなのにせりふが漢字だらけで、考えているうちに物語が進んでしまってついて行けなくなるからです(つまりは頭悪いだけ)。ですので、裁判を取り扱うこの作品、実は楽しめるか不安でした。

しかしこの「イノセンス」。全く難しいことはなく自然に楽しめ、感動し、まさかの初回からホロリしました…。法廷シーンの爽快感もたまりませんでした。

なぜだろうと考えてみたところ、このドラマは「事件解決」をメインに展開していくものではなく、事件に関わる「人間の心」をメインに描いているからだ、という結論に到達。

なるほど、これが“ヒューマン・リーガル・エンターテインメント”か。

身に覚えのない罪を着せられ歯がゆい人、その人を助けたいけれど何もできなくて悔しい人、事件現場近くに住み迷惑だと感じている人、ただただ仕事を終わらせたい人…。それぞれの人の心の動きに、心を揺さぶられます。

また、そんな人たちに寄り添う、または対峙(たいじ)する弁護士たちにもそれぞれ「心」があって。

世の中のもの全てが、気持ちだけでどうにかできるものではないけれど、こんなに「心」を大事に生きている人たちと出会えたらすてきだろうなと、思わせていただきました。まだ第1話ですが(笑)。

「イノセンス 冤罪弁護士」第1話場面写真(C)NTV


と、真面目な感想もありつつ! どうしてもお伝えしたいのは! と、と、とにかく拓のギャップに萌えます! ということです。もう古いですかね、この表現。

普段はとてもほんわかしている拓。事務所の物置に住んでいるとか、机が汚いとか、首元が締まっているシャツが苦手とか、バッグがパンパンとか、無造作ヘアー(?)とか、私生活に無頓着な母性本能くすぐるキャラかと思っていると、弁護のことになると急に目に力がグッと入ります。何それ格好いい…。

事実調査に向ける真剣なまなざしと、柔らかい口調なのに一言の言葉の重みがすごいです。特に派手なBGMがあったり、CGがあったりするわけでもないのにそう感じるのは、やはり坂口さんの力なのでしょう。

「イノセンス 冤罪弁護士」第1話場面写真(C)NTV


拓を取り囲む個性的な仲間たちも、演技派キャストぞろいですごい安定感。拓の隣でキャンキャンほえる楓を、冷静にあしらう穂香と、まとめて和ませてくれる湯布院先生(志賀廣太郎)。見事なチーム感です。志賀さんの声、癒やされます。

「イノセンス 冤罪弁護士」第1話場面写真(C)NTV


そして、ツンツンキャラの秋保。この冷たい雰囲気の藤木さんに、世の女子はときめいちゃうこと間違いなしでしょうし、ダンディーさ&ミステリアスさハンパない草刈正雄さんも魅力的…。

それぞれのキャラクターの素顔が、これからどんどん判明して行って、濃厚になっていくこと間違いなし。今後も拓と仲間たちのチームプレーに期待してみたいと思います。

文=ゆ~