注目のシンガー・JUNNA、「もっと上に行くためには、もっと細かく詰める作業が必要と実感した」

言葉をしっかり伝えることもテーマの一つだった

JUNNAの2019年第1弾シングル「コノユビトマレ」は、TVアニメ『賭ケグルイ××』オープニングテーマとして制作された楽曲。独特のエキゾチシズムを感じさせる美しいメロディライン、起伏に富んだ展開と緻密に構築されたアレンジがひとつになったドラマティックなナンバーだ。

「最初に聴いた時は“難しそう”と思ったんですが、歌っていくうちに難しさを感じなくてなってきて。デビューの頃からハードルの高い曲が多いので、感覚がおかしくなってるのかも（笑）。難しい曲だと“頑張って歌おう”という気持ちも強くなりますからね。歌詞はアニメの世界観に沿っているので、それを忠実に再現しようと思ってました。ストレートに突き刺さってくる歌詞だし、言葉をしっかり伝えることもテーマの一つだったので」

“望みどおりに賭けてあげる”“失うものはたかが知れてる”など、アニメの主人公・蛇喰夢子とリンクした刺激的な歌詞も「コノユビトマレ」の魅力。インパクトのある言葉をJUNNAは、持ち前のパワー溢れるボーカルで見事に描き出している。

「レコーディングの時は、これまで以上に細かいディレクションがあったんです。たとえば“この文字を強調してほしい”とか、“生きる”“曝せ”が続くところは特に強く歌ってほしいとか。（作曲の）白戸祐輔さんの曲はすごく歌いやすし、私の声にも合っているので、自分が思った通りに歌えば、ある程度のレベルにはいけると思うんです。もっと上に行くためには、もっと細かく詰める作業が必要なんだなって実感しました」

普段は気恥ずかしくて言えないことも、歌だったら表現できる

さらに、JUNNA自身が“友情”をテーマで歌詞を書いた「ともだちと呼べる幸せ」、“この世にある全ての美しい色が見たい”という印象的なフレーズから始まるアッパーチューン「Sky」を収録。

「これまでに自分で書いた歌詞は、不満をぶつけるような内容が多かったんですが（笑）、「ともだちと呼べる幸せ」は友情をテーマにしてみたくて。たわいもないことを話せる友達はすごく大切だし、デビューのために上京する時も、“頑張れ”って背中を押してくれて。普段は気恥ずかしくて言えないことも、歌だったら表現できるかなと。「Sky」はレコーディングには作詞の岩里祐穂さんが来てくれて、“譜割りをふたつ考えたんだけど、JUNNAちゃんが歌いやすいほうでいいよ”と選ばせてくれたんです。サビのパートは、広い草原とどこまでも続く青空をイメージして歌いました」

バラエティに富んだ楽曲を通して、ダイナミックなボーカル、生き生きとした表現力を体感できる本作。このシングルによって、シンガーとしての彼女の魅力はさらに幅広いリスナーに届けられるはずだ。

（取材・文 / 森朋之）