37年前に書かれた松本清張の名作サスペンスを新たな顔合わせでドラマ化。「テレビ朝日開局60周年記念 松本清張ドラマスペシャル『疑惑』」(2月3日(日)夜9:00-11:05、テレビ朝日系)では、米倉涼子演じる有能だが嫌われ者の弁護士・卓子(たかこ)が、夫に13億円の保険金をかけ殺したと疑われる球磨子(くまこ)(黒木華)の弁護をすることに――。見どころ満載の本作について、米倉涼子と黒木華に話を聞いた。
――個性的な役どころについてお話ください。
米倉「“毒婦”と呼ばれる球磨子は、私も演じてみたかった役。松本清張シリーズでは『黒革の手帖』(2004年テレビ朝日系)をはじめ、何度か悪女を演じさせていただきましたが、今回は自分より悪い女がいるという状況が新鮮でした(笑)」
黒木「悪女役は楽しかったです。やりたい放題やらせてもらって…。球磨子には女性的ないやらしさも人間的ないやらしさもあり、生きることにすごく執着している。その生命力を出せればいいなと思いました」
米倉「同じ女性から見ると、球磨子は厄介者で面倒くさいよね。もし私なら関わりたくないかな」
黒木「演じながら、球磨子は本当に卓子のことが好きなんだなと感じました。卓子に対しても、男性に対しても愛情を強く求めるけれど、その気持ちが本当かうそか分からないところが、また面白いですよね」
米倉「確かに、面倒くさい人だからこそ、それが魅力にもなる。それが華ちゃんの演技から伝わってきました。だんだん卓子の中にも球磨子への愛情が芽生えてくるんです」
――お二人のキスシーンはネットニュースでも話題になりました。
米倉「ほんの一瞬のシーンなのに、そこだけ騒がれてしまって…」
黒木「現場で米倉さんと『なぜキスを?』という話をしましたよね。球磨子からすれば、卓子にすがりついているようなもの。『私を好きになってほしい。信じてほしい』という気持ちを伝える方法だったのかも」
米倉「卓子は弁護士として球磨子のそんな危うい面も把握し、私情が入らないようにしているはず。だから、キスされても動じなかったのでは…。ただ、あの場面は私にとって10年ぶりのキスシーンだったんです(笑)。その相手が華ちゃんだなんて」
黒木「それは光栄です。しかもリハーサルからちゃんとしたので、合計3回も唇を奪ってしまいました」
相手の本心が読めないというスリリングな関係を演じた2人。舞台裏では、お互いに理解し合えた?
黒木「共演して驚いたのは、米倉さんってこんなにスレンダーなのに食べる量が多い。ある日、デニッシュパンを一斤食べていましたよね?」
米倉「うん、食べました」
黒木「何てかわいい人なんだろうと帰宅後もニマニマしていました」
米倉「華ちゃんはおとなしいイメージだけど、発言を聞くと、結構姉御肌なんです。一見、弱そうなのに強い。そのギャップにやられてしまいました。そこが球磨子に引かれる卓子とシンクロしていたかも(笑)」
取材・文=小田慶子
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