――では小吉と古田さんとの共通点はどこだと思いますか?
乱暴者なところ。でも自分は小吉のように温かくはないし、体温低いんで…。
小吉は逆にカッとなる熱い人ですよね。だからやっていて面白かったですよ。
やっちゃん(沢口)は本当に優しい女性で、ほぼお信さんみたいな人。
また、やっちゃんは役を構築するタイプでオイラは思いつきでやるタイプなので、その兼ね合いが楽しかったですね。
オイラは毎回芝居を変えるので、やりにくかったんじゃないかな(笑)。
――脚本の山本むつみさんが、古田さんは小吉にぴったりだとおっしゃっていました。
ありがたいですね。
小吉は自分とは似てないですが、自分の中にないものをやっている時が俳優として一番楽しいですから、楽しんで演じています。
オイラならこうはしないな、みたいな方が作っていく上では楽しいですからね。
役を自分に寄せていく人たちもいるんだろうけど、オイラは自分にないものを提出する方が楽しい。演じるということはしょせんはウソですから。
特に時代劇はファンタジーですよね、その時代を実際に見たことのある人は居ない訳ですから。
――現代劇と時代劇で感じる違いなどはありますか?
時代劇の方が自由度は高いです。
時代考証の先生や方言指導の方もいらっしゃいますけど、「ぶっちゃけ本物見たことないだろ!? 江戸時代知らねえだろ?」って。演じる側としては自分の想像でやれることと勉強して覚えることとの両方があるので、現代劇じゃつけないウソがつけるというのはあります。
さすがのNHKのアーカイブにも江戸時代の映像は無いと思うので(笑)。
――作中の江戸言葉も印象的ですが、せりふでのご苦労などはありましたか?
江戸弁は好きですね。
落語も江戸落語は好きだし、仲の良かった(十八代目中村)勘三郎兄やんは、“ひ”を“し”って言ったり、“真っ直ぐ”を“まっつぐ”なんて言っちゃう人だったので、その心地よさが好きです。自分が舞台でやっているのも江戸の話が多いですし。
特に今回のような作品のちゃきちゃきの江戸っ子言葉みたいなのは、やっていて楽しいです。
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