――阿見さんが「大河ドラマ」を好きになったきっかけの作品はありますか?
小学生くらいのときに見ていた、渡辺謙さん主演の「独眼竜政宗」(1987年)ですかね。
あれがすっごくかっこよかったことを覚えてます。
あのドラマを見て戦国時代が好きになって、そこからいろんな漫画を読んだり、ゲームをやったりして、どんどん歴史が好きになっていきました。気がついたら戦国時代だけじゃなくていろんな時代も好きになってましたね。
――そんな大河ドラマの中でも、「いだてん」は異色作とも思えるんですが、作品全体の印象はいかがですか?
僕は戦国時代から幕末にかけての時代劇が好きなので、「大河ドラマ」っていうものはそういう時代を描くイメージだったんです。
だから、「オリンピック」や「スポーツ」がテーマの大河ドラマがどういうものになるのかが最初は想像できなかったです。
でも、台本をいただいて読みはじめてからは、体育や体操がスポーツに変わっていく瞬間を描いていくっていうことが分かって。なんというか…織田信長と誰かが戦ったことを描くのと同じというか、「そうか、これも立派な歴史なんだ」って感じたんです。
あ、「肋木(ろくぼく)」ってあるじゃないですか。東京高等師範学校にある、みんながぶら下がっているはしごみたいなやつ。子どものころに、「肋木」って確かに体育館にあったんですけど、授業で一回も使ったことなくて(笑)。あの「肋木」を、杉本哲太さん演じる永井道明がスウェーデンから持ってきてたものだということを、今回初めて知ったんです。そういう部分に、身近なところの歴史を感じました。
現代の楽しいスポーツになるまでに、あんなにつまんない「肋木」の体操とかをやらされてたことにもびっくりしましたし、それが現代のオリンピックにつながっていくって、ものすごい歴史ですよね。
そういう目線で見ると、全然ぶれていない「大河ドラマ」だと今は思っています。
――確かに、「いだてん―」は今につながる物語ですね。ちなみに、徳三宝が「肋木」につかまるシーンもありましたが、折れたりしなかったんでしょうか…?
いや(笑)。僕もぶら下がる前から「大丈夫なのかな?」って思ってました。それで実際、撮影のリハーサルで足上げてぶら下がったとき、ミシミシって聞こえたので「これはヤバい」ってなりまして…。
本当はもうちょっと長くぶら下がっているシーンの予定だったんですけど、ぶら下がったらすぐ落ちることになりました。
勝地(涼)さんは何十秒もぶら下がれたりしたんですけど、僕は無理でしたね。僕の腕もきついですし、それ以上に肋木が悲鳴あげてました。
――(笑)。では最後に、また大河ドラマに出られるとしたら、どんな役を演じてみたいですか?
もし、本当にそういう機会をいただけるなら、戦国時代で馬に乗って暴れてみたい…でも馬がかわいそうですね(笑)。
でも、戦国時代の日本人はものすごく背が低くて、こんな巨人絶対いないだろうなっておもうんです。だから、何か大きい役があればいいなと思います。史料にちゃんと残ってなくても、きっといたと思うので、やってみたいです。
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