菅田将暉演じる教師・柊一颯の熱い授業と、次々と明らかになる真相が話題となっているドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)は、2月10日(日)の第6話からいよいよ第2部が開幕する。
そして新章の突入に備えるべく、公式HPでは藤沢チヒロによるこれまでの内容と名シーンを振り返るコミックエッセーが公開された。
魁皇高校3年A組。朝のホームルーム。
卒業間近のゆるんだ空気が、担任の美術教師・柊一颯(菅田将暉)の一言で一変する。それは10日間に及ぶ命がけの「最後の授業」の始まりだった――日本テレビ系の日曜ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」。主演の菅田将暉が演じるのは、温厚で生真面目で、生徒たちにイジられがち――だったはずが、突如豹変して生徒たちの命を盾に立てこもる教師。放送前の告知からは「バトル・ロワイアル」のような学園サバイバルなのかな……? という印象を持っていたが、私は見事にミスリードされてしまったかたちだ。このドラマは、いわゆるサイコサスペンスや学園ホラーではない――まさにあの「3年B組」と隣り合う、魂のこもったヒューマンドラマ……なのかもしれないぞ、と、毎週ゾクゾクしながら視聴している。
特殊な鍵や窓の細工、校舎のいたるところに仕掛けられた爆弾。一颯の入念な計画のもと、3年A組の生徒29名は完全に孤立してしまった。阿鼻叫喚の教室で一颯が告げた解放の条件は、「自殺したクラスメイト・景山澪奈の死の真相をあきらかにすること」。その回答は学級委員の茅野さくら(永野芽郁)にゆだねられた。午後8時までに正解を導けなかったら、生徒のうち誰かが死ぬと告げられ――警察や同僚の教師たち、SNS越しに事件を見守る大衆も巻き込んだ大がかりなパフォーマンス。捕まれば実刑確実なリスクを冒してまで、一颯が事件を起こした意図は何なのか。
本作のヒロインは、他の女子生徒とは違う熱量と独自の視点で事件を見つめるさくら(永野芽郁)、そしてすでに教室に存在しない景山澪奈(上白石萌歌)も影のヒロインと言えるだろう。全国レベルの水泳の実力と美貌で、学校外でも有名人だった澪奈。自殺の原因はドーピング疑惑の悪評だとされていたが、話を追うごとに、彼女をめぐるクラスメイトたちの歪んだ思い、異常な行動が明らかになっていく。もともとは熱狂的なファンから友人となったはずなのに、澪奈がいじめの標的になると、自らが次の標的になる恐怖から無視する側に加わってしまったさくら(1話)。自分の思い通りにならない澪奈を憎み、彼女を貶めるフェイク動画を拡散した香帆(川栄李奈)(2話)。そのフェイク動画を撮影したのは、澪奈に告白して断られた里見(鈴木仁)(3話)。里見に動画を撮るようそそのかしたのは、家族が困窮し、金欲しさから半グレ集団・ベルムスとつながっていた甲斐(片寄涼太)(4話)……「なぜ、景山澪奈は死ななければならなかったのか。これから彼女の生きざまを通して、お前らの考えがいかに脆く弱いものなのか、思い知らせてやる。そして、変わるんだ……悪意にまみれたナイフで、けがれなき弱者を傷つけないように……変わるんだよ!」「傷ついた悲しみを明日の活力に変えられなかった。それがお前の弱さだ」「真実を明らかにして、明日と闘え! 抗え! もがいて掴め! 生きてるお前にはそれができるんだよ……」偏った憧れ、執着や嫉妬、失恋の腹いせ……極限状態で、秘めていた秘密や負の感情をあぶりだされた生徒たちに、一颯は熱い言葉を投げかける。当初は、理解不能な行動と裏腹に繰り出される熱血教師的セリフに戸惑わされたが、彼の本心が露わになってくるにつれ、ひとつひとつの言葉は生徒たちに、そして私たちの胸に真っ直ぐ届き始める。
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