宮藤官九郎が脚本を務める大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。3月3日(日)放送の第9回「さらばシベリア鉄道」は、大根仁氏が演出を担当している。
主人公の金栗四三(中村勘九郎)と、その盟友・三島弥彦(生田斗真)がストックホルムオリンピック出場を決め、新橋駅を旅立ったのは前回(2月24日)の放送でのこと。2人は、監督の大森兵蔵(竹野内豊)と安仁子(シャーロット・ケイト・フォックス)夫妻の同行でシベリア鉄道に乗り込む。
ウラジオストクやハルビンを経由し、ストックホルムに至るまで17日間におよぶ鉄道の旅。四三は、嘉納治五郎(役所広司)の渡航の遅れと、大森夫妻のラブラブっぷり、そして初めて触れる外国人の横柄な態度に、日に日に不安を募らせていく。
ストックホルムに至るまでの心情を描く同放送回について、大根氏が見どころを語った。
――初演出回となる第9回について、演出のポイントやエピソードをお聞かせください。
僕はこの(ドラマの)企画の立ち上がりの段階でお話をいただいたんですけど、当時は別の仕事をしていたので、すぐには参加せずに、そこから一年半くらい経って、他のスタッフより、やや遅れて参加したんです。
第9回の演出を担当することになったので台本を読んでみたら、「え! シベリア鉄道!?」って(笑)。スポーツを撮りにきたんだけど、座りっぱなしか~って思いました。
でも、シベリア鉄道に乗ってユーラシア大陸を横断して、ストックホルムまで行く100年以上前の人の話って、あまり普段の仕事では撮れないですし、やったことがないことに挑むのでドキドキしました。この「いだてん」っていうドラマが、全体的にそういう話ですよね。
しかも、たっぷり45分かけてやれて、脚本もすごく面白いので、ワクワクもしていました。
それで、まず僕が何をしたかというと、「シベリア鉄道で実際に旅をさせてくれ」と、プロデューサーの方にお願いしました。
僕はアスリートじゃないし、オリンピック選手の気持ちは分からない。でも、シベリア鉄道に乗ってストックホルムまで行くことだったら追体験はできると思ったので、やってみたんです。
その体験を活かして、さらにシベリア鉄道の歴史について資料を見て勉強しながら、どうやって再現していくかを考えていきました。
でも、まさか車両を食堂車と客車も再現したセットを作るとは…! しかも窓の外はLEDで360度囲んでいて、さも走っている電車かのように見える特殊なシステムを使っているんです。
ちょっと引くくらいの再現度です(笑)。いやー、本当にびっくりしました。
スケジュールは厳しかったんですけど(笑)、本当に潤沢な環境で撮らせていただきました。
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