「宇宙戦艦ヤマト2202」いよいよ最終章上映! 神谷浩史「キーマンはずっとヤマトと命運を共にしてきた」

2019/03/02 06:15 配信

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「宇宙戦艦ヤマト2202」でクラウス・キーマンを演じた神谷浩史

キャラクターの背景を知ることで感情の動きも理解できました


――過去のインタビューで、シリーズ構成・脚本担当の福井晴敏さんによく質問をされているというお話がありましたが、具体的にどのようなことを聞かれていたのですか? また、第七章に臨むにあたり、新たにお聞きしたことはありましたか?

神谷浩史:最初は何も教えてくれなかったから戸惑いましたよ(笑)。よく分からないのにいきなりヤマトに乗るなんて理解できないので、「キーマンはどういうキャラクターなんですか?」とすぐに羽原(信義)監督と福井さんに聞きに行って、彼の置かれている立場や生い立ち、ヤマトに乗る目的などに関して、最初に福井さんから教えていただきました。

その情報がどの程度作品の中に生きてくるのかというのは状況によって変わるんですけど、やっぱり聞いておいて良かったなと思います。キャラクターの背景を知ったことで、裏ではこう思っているけど表面的にはこうしなければいけないという感情の動きも理解できました。

ただ、キーマンは気持ちのブレがほとんどなく、常に論理的で最善の選択しかしないので、正直に言ってしまうと退屈な役でした。最初の頃は「全部言ってやりたいけど、そうもいかないしな…」というジレンマを抱えつつ、自分を納得させながらやっていましたが、途中からは自分がしゃべっている言葉と気持ちの揺れが一致してくるので、こちら側に判断が委ねられるようになっていきました。

今までは出せる音が一つしかなかったんですけど、気持ちがブレればいろいろなやり方を提案できるようになります。さまざまな演技のアプローチを提案するのは役者としては楽しい作業なので、一つしかないものを実直にやってくれと言われたところから解放された瞬間はよく覚えています。

第七章に関しては、気持ちのブレの果てに彼がどういう選択をするのか、皆さんに見ていただいて感じてもらいたい部分ですね。

――第七章の変化するキーマンを、どのようなアプローチによって見せていこうと考えていましたか?

神谷:自分からアプローチを変えようと思ったことはないです。福井さんから教えていただいた情報によってできたベースからしか考え方は発展していかないので、急に全く新しいアプローチを発想することには至らなかったですね。

今までは、自分がやらなければならない使命がまずあって、そこに置かれた状況があって、その使命を全うするためにはどういうアプローチをしなければならないのかという一つの考え方しかありませんでした。その使命を全うした後は彼の判断に委ねられるので、例えば第五章でキーマンが古代に銃を突き付けた時は、羽原監督と福井さんにこの後どうなるのかを聞いて確認するというようなやりとりはありました。

自分の中で想像できる範囲のことを取り立てて質問することはないんですけど、答えが分からないことに関しては自分が思い違いをしていると、演出と掛け離れた音しか出てこないので、その都度お伺いしていました。答えを持っている方(福井さん)がいつも変なTシャツを着て後ろにいらっしゃるので(笑)、すごく安心感がありました。