――劇場版のキャッチコピー「俺たち いつから大人なの?」を見ると、シリアスな内容なのかと思ったのですが…。
櫻井:皆さん、だまされますよね(笑)。夕方の河川敷をバックにした、この素晴らしいティザービジュアルだけで、ちょっと感動しちゃいますし。「俺たち いつから大人なの?」は、本当に僕もそう思うことがあります。自分も年齢的にもういい大人ですけど、想像していたよりずっと幼いと思います。
――子供の頃は、どんな大人像を想像していたのですか?
櫻井:そもそも、自分のことを考えたりしなかったんですよ。学校って授業も部活も全部時間が決まっていて、自分で決めたり考えたりする必要が全くないじゃないですか。それが中学校や高校で進路を決める段階になって、どこの学校行くのか、そのためには成績がどれくらい必要で、どれくらい勉強しないといけないのかとようやく考え始めて。
そのステージも上がる度に、「自分のレベルではもうそこには行けないんだ」と悟ったりと、次第にシビアになるんですよね。そういう経験を積んでいくのが、大人の作業だなって思いました。僕は夢が無かったので、漠然と不安を抱えていたし、あまり考えないようにしていましたね。
――目を背けていた?
櫻井:完全にそうですね。その中で声優になるという道を見つけたのは、子供時代から自分の中の点がいくつかあって、それが高校3年生のときに一本の線になったからで。急にその道に入っていったし、偶然みたいなものがあって今に至る感じです。
それもあって、中学生くらいの感覚から変わっていないんじゃないかな。それなりの知識や経験は得てはいますけど、中学生くらいに何となく自我的なものが芽生えて、そのときの価値観、設けられた基準でいまだに生きているような気がしますね。
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