――めぐみは、どんな女の子?
めぐみは、ある目的があって「島留学」を決意したんですけど、気持ち的には少し不安定だと思います。自分の家族のことを知りたいということは、もしかしたら触れたらいけないことだったのかもしれない。
でも、それは、ある人から触れる機会をもらっためぐみが自分で決断したこと。
何となくフワフワしているように見えるかもしれませんが、ものすごくしっかりとした女の子という印象です。
その芯の強さのようなものを大切に演じたいと思いました。
――島で暮らす徹を遠くから見ているシーンが印象的。
徹さんのことを見ている描写が多いですよね。どこか一歩引いているというか、客観視することによって見えるものや、いろんな気付きがあると思うんです。それと、複雑な気持ちを抱いているから近付く勇気がなかったのかもしれません。
演じながら、そういう繊細な心の揺れのようなものを感じていました。
――めぐみに共感できる部分はありましたか?
自分の気持ちをうまく表現できないところは似ているなと思いました。「好き」とか「嫌い」という感情もそうだと思うんですけど、自分なりに頑張ってアクションを起こしているんだけど、大人は気付いてくれない。
そういうむしゃくしゃした気持ちは分かるような気がします。
――自分の気持ちを伝える難しさは誰しもが抱える悩みですよね。
特に親に対しては、身近な存在だからこそ難しいのかなと思っています。
――映画を見終わるとタイトルの意味について、いろいろ考えさせられます。
人間の深い感情が描かれていて、まだ10代のめぐみたちには大人とは違う繊細な部分があります。でも、自然に囲まれた島の環境がめぐみに勇気を与えてくれて、自分自身の感情があふれ出てくるんです。
東京にいたら、あんなふうに思いを伝えることはできなかったかもしれません。
実際、島には1カ月ぐらい滞在したんですけど、島の人たちは本当に優しいんです。いろんな方たちが声を掛けてくださって、人間同士のコミュニケーションでできている島なんだなって思いました。
――劇中でも1人で食堂に来ためぐみに島の人が声を掛けるシーンがありました。
本当にあんな感じで「どっから来たの?」とか、ものすごく気にかけてくださるんです。釣りに連れて行ってもらったり、一緒にバーベキューをしたり。優しく受け入れてくださいました。
島にはコンビニがなくて、個人でやっている商店も夜7時頃には閉まってしまう。その日、取れた魚によって食堂のメニューが変わるところも面白くて。そういう島の雰囲気が作品の中にも映っていると思います。
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